「連載:樹脂部品設計」(第2回)樹脂部品設計|なぜ「樹脂部品設計」は金属に比べて難しい?

前回のコラムでは、
アップル社の元CEOであるジョブズが製品の側面につく
「抜き勾配をゼロ」にした具体的な手法についてをお話しました。

このような方法は、
通常ですと製造コストが上がってしまう
非常識な成形法になりますので、マネすることはできませんね。

特に初心者の方には、
業務の中で役立つ、という以前の知識になります。

ですので、こちらの話は一つのトピックとして捉えていただき、
それよりも、まずは「一般的な知識(技術)」の習得を目指してください。

さて、
それでは早速ですが
樹脂部品の設計についてお話を進めていきます。

あなたは、
樹脂部品設計について「難しい」というイメージはないでしょうか。
とくに、金属部品の設計と比べて分かりづらいと感じていませんか?

実は、樹脂部品設計は削りだしで作る切削部品の設計と比較すると、
「考慮しなければならない要素」がたくさん存在します。

その1つは、ここまでのコラムでもお伝えしたとおり、
通常、樹脂部品を作るには『金型』が必要であり
その金型を考慮して、設計をすることが必要になることです。

そして、
もう1つ考慮しなければならない要素として
樹脂ならではの「特性」があります。

樹脂は金属とは
「大きく異なる特性」を持っています。

例えば、
金属材料で一般に広く使用されているものにSS400がありますね。

この材料は、JISで強度などの物性値が規格化されており、
引張強度は「400~510MPa」となっています。

これは、どこのメーカーのSS400を買ってきても
強度は「400MPa以上」が保証されている、ということになります。

樹脂ならではの「特性」について

一方、金属と比べて、
樹脂はJISで物性値が規格化されていないのです。

ですので、
例えば同じPP(ポリプロピレン)という樹脂であっても
強度はさまざまです。

先ほどと同様に引張の強度(降伏応力)をざっと調べてみると
「26~41MPaと幅広い」です。

メーカーのカタログに強度の数値が記載されてはいますが、
その数値は、保証されたものではありません。

実際、メーカーのカタログをよく見てみると、
「本製品の当該用途への適用結果を保証するものではありません」
のように記載があります。

このような記載があるのは、
試験方法、成形条件、金型、あるいは設計値によっても
材料の強度が変化するからです。

私自身も樹脂部品の設計について10年ほど経験があります。

その際、
金属から樹脂化する際に強度の不足分を寸法増加で
対処しましたが、理論通りにはいきませんでした。

このように、樹脂部品設計は
金属と比較して設計を難しくしている要素が多いため、
設計者の悩みの元になっています。

あなたが、
これから樹脂部品設計のスタートラインに立とうとするには、

  • プラスチックの特性
  • 金型コストを抑えるための考え方
  • 成形不良と設計の関係

など、

材料、金型、成形の各方面から
総合的に設計手法を身につけることが大切になります。

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———- ものコラム連載「樹脂部品設計」 ——————————–
 
第1回:非常識な成形法を使ったゼロドラフト
第2回:樹脂部品設計|なぜ「樹脂部品設計」は金属に比べて難しい?
第3回:樹脂部品設計は難しい?身につける方法を解説
第4回:「製品設計」と「手戻りの対策」について
 
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