投稿日:2021年01月12日
今回は「メカトロニクス」の教材についてご紹介いたします。
メカトロニクスについてあまりご存じない方もいらっしゃると思いますので
今回はメカトロニクスとは?についてのコラムとなります。
製造業の仕事に携わっている方は、
「メカトロニクス」
という言葉を聞かれたことがあると思います。
深く調べられたことがない方は、
カタカナで書かれているので「英語?」
と思われている方も多いかもしれません。
実は、
この言葉は「日本」で産まれました。
メカトロニクスは、
安川電機の技術者によって出願された言葉で
「メカニクス」+「エレクトロニクス」の和製英語です。
短縮してメカトロとも呼ばれます。
現在では世界で通じる言葉になっています。
さて、このメカトロニクスですが、
近年のものづくりにおいて欠かせない技術になってきております。
なぜなら、多くの機械、製品において、
小型で高性能、そして低コスト
が求められているからです。
従来の歯車やリンク機構などの「メカ」のみで
機械を構成すると、どうしても大型で高価になってしまいます。
そこでコンピュータやセンサを使うことで、
複雑な動きを簡単に実現することができる
メカトロニクスが注目されてきているのです。
さらに、
コンピューターの技術に加えてインターネットの技術が加わることで
ますますこれらの技術が利用される範囲が広がっています。
ここで事例として、
工場で使われる工具について考えてみます。
ホームセンターで市販されている
手動で使える「手回しの穴あけドリル」がありますね。
これは、いくつかの部品が
組み合わさって動くので「機械(メカニクス)」です。
これにモーターが付くと「電動機械」になります。
そして、ソフトウェアで制御することで、
NC旋盤、フライス盤、マシニングセンタなど
メカトロ化した高度な機械に変化します。
今や多くの工場でこれらの高度な機械が
当たり前のように使用されていますね。
もう一つの事例として
「腕時計」を取り上げてみます。
自動巻きの機械式時計
これは沢山の歯車がいくつも組み合わさって動きます。
電池がなくて自動でゼンマイを巻き上げるメカニズムを搭載しています。
従って、機械式時計は、「メカニクス」に分類されます。
次にデジタル時計です。
デジタル時計は、ディスプレイに時間が表示されるものです。
歯車等のメカニズムがなく電気のみで動きます。
従って、
デジタル時計は「エレクトロニクス」です。
最後に、アナログクオーツ時計です。
この時計にはステッピングモータという
「モータ」が組み込まれています。
カレンダーやアラームなどの機能が付いたものもあります。
アナログクオーツ時計は、
電子回路とモータ(アクチュエータ)が組み合わさった
メカトロニクスといえます。
以上、
工具や時計を事例として取り上げましたが、
このほかにも、家電やロボットなどあらゆる分野で
メカトロニクスの技術が用いられています。
このような社会背景から
メカトロニクスに精通しているエンジニアの
ニーズがますます高まりを見せています。
機械(メカ)の範疇でさえ、
覚えることが多いのに、メカトロニクスまで身につけなければならない
となるととても高いハードルを感じてしまいますね。
特に機械屋さんは、
ソフトや制御に苦手意識を持たれている方も多いと思います。
どちらかといえば、
「避けて通ってきた」という方も多いのではないでしょうか。
しかし、そんなに心配する必要はありません。
実際、高度な技術を持つ
「メカトロニクスエンジニア」も存在するようですが、
仕事量と納期の関係から、
一般的にはメカニクスを「機械屋さん」が担当し、
エレクトロニクスを「電気屋さんや制御屋さん」が担当する事が多いようです。
従って、
電気回路図やプログラムがかけなくても
メカトロニクス設計を行うことはできます!
実際、メカトロニクス設計を行ってきた
MONO塾の講師は、プログラムを書くことができませんが、
数多くの機械装置を設計してきております。
但し、
メカトロニクスの機械の設計するためには、
基本事項の理解を深める必要はあります。
メカトロニクスで使われる
- コンピューター
- センサ
- アクチュエータ(モータなど)
などメカトロ機械を構成する要素が、
どのような役割を担っているのか
理解することが大切になります。
これらの種類や役割、
そして使い方を理解できれば
メカトロニクス設計の第一歩を踏み出すことができます。
「機械要素入門講座(メカトロ編)」では、
これらが学べる構成になっております。
機械、電気・電子、制御など
これまで独立して学習が必要であった
メカトロニクスをワンストップで学べる教材としております。
これらの内容を関連付け、
機械設計者に必要な知識に限定して解説しておりますので、
電気や制御にハードルを感じている方にもやさしく理解して頂けると思います。
なお、メカトロニクスといっても、
家電や自動車、産業機械などによって扱われる範囲に幅がありますが、
本講座は、産業機械(工場の自動化など)を対象としたものになります。
それでは、次回、2回目のメールにてもう少し詳細に
「メカトロニクス設計に必要な知識」
をお伝えしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
———- ものコラム連載「はじめてのメカトロニクス」 ————–
第1回:メカトロとは?
第2回:3つの要素を理解する
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