鋳造とダイカストはどう違う?それぞれの特徴や成形方法を学ぼう

投稿日:2022年07月18日

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ダイカストは数多く使われている鋳造方法ですが、どのような特徴があるかご存知でしょうか。

本記事では、主に良く用いられる鋳造方法と合わせて、ダイカストの特徴を詳しく紹介します。

ダイカストとは

ダイカストは、金型を使った鋳造方法の一種です。鋳型に金属を流し込む際、数MPaの圧力を掛けるのが特徴で、短時間で金型の隅々まで溶湯(ようとう)を充填できます。

生産にかかるリードタイムが非常に短く、大量生産に最も向いた鋳造方法のため、「鋳造の産業革命」と呼ばれることもある手法です。

使える材料はアルミや亜鉛、マグネシウム合金、銅などの非鉄金属に限られます。基本的には軽くて上部なアルミ合金を使い、厳しい寸法精度が求められる場合は亜鉛を用いるのが一般的です。

鋳造とダイカストの違い

鋳造とダイカストはどちらも金型に溶湯を入れる方式のため、圧力以外には大きな違いはありません。ダイカストは溶湯の充填速度が速く大量生産に向いているほか、薄肉で複雑な形状でも歩留まりが良いため、自由度の高い製品が作れるのがメリットです。

一方、金型が非常に高価なことから少量生産には不向きで、中空構造が作れないといった制約もあります。

また、加圧時に鋳巣が発生しやすく製品の強度が総じて低くなるため、強度が求められる製品にも向いていません。

ダイカスト以外の鋳造方法

続いては、ダイカスト以外の鋳造方法について、主な種類とそれぞれの特徴をお伝えします。

砂型鋳造

引用元:株式会社吉田軽合金

砂型鋳造は、砂に特殊な添加材を加えて固め、簡易的な鋳型として使う鋳造方法です。鋳型を毎回作り直さなければなりませんが、鋳型製造のコストが低く、大きな鋳型でも簡単に作れるというメリットがあります。

どんな金属でも成形可能なことから、最も基本的な鋳造方法として、大型部品や少量生産したい機械部品の製造に使われます。鋳物表面は、砂の粒に合わせてざらざらとした形になるので、鋳造後に表面処理が行われることが多いです。

ロストワックス

引用元:株式会社JMC

ワックスを使って金型を作る鋳造方法がロストワックス法です。まず、金型を使ってワックスを製品の形状に成形し、原型を作ります。

できた原型を、砂やセラミックなどに入れ込み、焼き固めることで製品の金型を作ります。ワックスは加熱した際に溶けるので、取り出す必要はありません。

原型となるワックスは簡単に量産できるため、多数の鋳物を同時に作る、ツリー状の鋳型でも簡単に作れるのが特徴です。

また、ロストワックス法では砂型鋳造よりも寸法精度が良くなるため、許容誤差が少ない場合や複雑な形状の製品を作る場合に適しています。

砂型鋳造と同様、金属の種類を選ばないのも特徴です。古くは大仏の鋳造に使われており、現在でもアクセサリーや美術品などに多く用いられています。

金型鋳造

引用元:株式会社今西製作所

金型鋳造は、金属の鋳型を使った鋳造方法です。ダイカストとほぼ同じ工程ですが、溶湯に圧力を掛けず重力で流し込みます。溶湯の充填速度が遅いので金型の隅々まで行き渡りにくく、寸法精度の悪化と歩留まりの低下が生じます。

一方、ダイカストより設備にかかるコストが抑えられるので、寸法精度が低くても良い部品や、少量生産したい時に向いています。

また、砂型による中子を使って中空構造を作れるのもダイカストにはないメリットです。

低圧鋳造

引用元: 三和株式会社

低圧鋳造は金型鋳造の一つで、溶湯を下から上に低速・低圧で注入し、鋳造する方法です。ゆるやかに注入するため欠陥が生じにくく、高密度で強度の高い製品が作りやすくなります。

金型製造コストが低く、歩留まりを高く保てるというメリットもありますが、低速で注入する分成形に時間がかかるため、大量生産には向いていません。

Vプロセス(砂型減圧鋳造)

引用元:アスザック株式会社

減圧した状態で砂型の形状を保ちながら鋳造を行うユニークな方法です。まず、熱可塑性のプラスチックフィルムを原型に貼り付けて形状を記憶させ、そのフィルムを減圧した鋳型枠に貼り付けます。

鋳型枠の上から砂を投入し、さらに保護シートをかぶせて減圧すると、フィルムとシート間に挟まれた砂が押し固められるので、固着剤を使わずとも砂型として機能します。

砂型は鋳造後、常圧に戻すだけで元の砂に戻ることから、砂の再利用率が高くコスト低減、環境配慮に向いた鋳造方法です。

フィルムの成形形状に限界があるため複雑な製品や、中空構造には対応できませんが、砂型鋳造のように少量生産に向いているほか、鋳物表面も滑らかになります。

まとめ

今回は、ダイカストとその他の鋳造方法との違いや、それぞれの特徴について解説しました。

ダイカストは大量生産に適した鋳造方法ですが、鋳造に使える材質には限りがあり、強度が低いなどのデメリットもあります。

今回ご紹介した鋳造方法以外にも、特殊な製品の製造に適した鋳造方法は多数あるので、それぞれの特徴を理解したうえで製造方法を選定されることをおすすめします。