第五回:設計の進め方と考え方を身につける

投稿日:2016年03月10日

本日は、
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設計の進め方と考え方を身につける
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というテーマでお話しいたします。

ここまでのメールで、
できる設計者になるために
必要な知識の身につけ方の一例をご紹介してきました。

・基礎知識
・自分が携わる分野の深い専門知識

に加えて、もう一つの深い専門知識を身につけることで、
アイディアの発想力が高まり、
コミュニケーションが取りやすくなる
というお話でしたね。

設計とは、アイディアを形にしていく仕事であるため、
アイディアの発想力や
それを関係者に伝えるコミュニケーション力は、
非常に重要なスキルとなります。

そして、次のステップでは、
それぞれ個別の専門知識だけでなく、
企画 → 構想設計 → 基本設計 → 詳細設計 →
→ 試作評価 → 製造 → 組立
など、一連の設計プロセスにおける、
仕事の「進め方」と「考え方」を身につける必要があります。

専門知識に加えて仕事の「進め方」と「考え方」を身につけることで、
学んだ知識の「点」が「線」となり、
「線」が「面」に変化して、
「面」が「立体」となることで、
より仕事の全体像が把握できます。

「なぜしなければいけないのか?」
「何をしなければいけないのか?」
「どうすれば問題解決できるのか?」

といった悩みを、自己解決できるようになります。

これができるようになると、
すでに中堅設計者です。

チームをマネジメントしながら、
設計を自分で進めることができるレベルとなります。

しかし、
このような「仕事の進め方」は、
初心者設計者の早い段階から身につけることが重要です。

なぜなら、
図面の作成方法やCAD等の設計ツールの使い方など、
技術的な側面や道具の使い方のみ焦点があたっていると、
視野が狭くなるからです。

自分で考える力が養われず、
いつまでたっても
できる設計者になることができません。

できる設計者になるために、
全体を知ったうえで、
自分の役割を全うすることです。

そうすることによって、
なぜ、その仕事をやっているのか理解できるため、
仕事のやる気も変わってきて、
成長のスピードが早くなります。

言われたからやる
ではなくて、
自ら考えて行動できるようになります。

■では、どうやって仕事の進め方を身につけるのか?

仕事の進め方は、
一般的に先輩の設計者の元で
日常業務を通じて身につけることになります。

業務の中で、
さまざまな課題を解決していく過程で、
感覚的に身についています。

これは、料理の世界でも同じです。
一流の料理人になるためには
師匠の下で「見習い」として修行を積みながら、
一人前を目指していきます。
・掃除
・食材の準備
・洗い物
・包丁の使い方
・後片付け
にはじまり、
下積みからスタートして、
師匠の仕事を見ながら
仕事の進め方を身につけていくことになります。

しかし、
このように経験を通じて身につけることは、
非常に時間がかかることが難点です。

また、学ぶ師匠によっても
レベルが異なってきます。

そして、
師匠と「同じ味」を出すために、
20年、30年と時間が必要になるかもしれません。

そこで、基本的な知識を身につけて、
できるだけ早く一人前の料理人になってもらうために、
レシピ」というものが存在します。

レシピがあると、
一流の料理人と同じ味が出せるようになります。

・食材の選び方
・食材の切り方
・材料の配合
・加熱時間

などをレシピにすることができれば、
大きな時間短縮が可能となります。

■日本のエンジニアに求められていること

2010年に日本は第3位だった中国にGDPで抜かれました。
GDPとは、国内で産み出された付加価値の総額のことです。

これまで半世紀にわたってアジアで
No1をキープしていたわけですが、
ついに転落してしまったのです。

その勢いは中国だけでなく、
その他アジア諸国にまで広がっています。

このような社会背景からも
日本のエンジニアは、
日本人にしかできない、
より付加価値の高い仕事が求められてくるのでは
ないでしょうか?

今までと同じやり方ではなく、
新しいやり方を取り入れていかなければなりません。

10年、20年とかかるエンジニアの育成を
できるだけ短くする「レシピ」が必要です。

より付加価値の高い仕事にシフトし、
新たな価値を創造し、
社会に貢献していかなければなりません。

そのためには、
ベテラン設計者や熟練工の技術を
レシピ」にして、
伝承していく必要があります。

日本の職人の常識であった「見て盗め」から
「レシピ」にする考え方を取り入れていなかければ
ならないときが来ているのかもしれません。

そこで、私たちは、
その「レシピ」のたたき台となる教材を作成してみました。

それが、「即戦力エンジニア養成講座」です。

即戦力となるエンジニアになるための
・基礎知識
・仕事の進め方
・仕事の考え方
を動画で学べるeラーニング教材です。

詳細はこちらから
⇒ https://d-monoweb.com/semiproject/

次回は
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特別講義 第6回
顧客志向を身につける
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をお伝えします。

本日もお忙しいところ、最後までお読み下さりありがとうございました。