強度計算の基本:力の流れを理解する

投稿日:2021年12月8日

こんにちは、MONO塾講師の赤尾です。
本日は、「力の流れを理解する」という内容をお話させていただきます。

前回は、
モデル化すれば、知っている公式で解ける
というお話でしたね。

どんな複雑な形状でも、
モデル化することで、公式に当てはめて問題を解決することができる
ということでした。

ですが、
実はこれだけでは問題解決できない場合があります。

例えばですが、機械装置をイメージしてみてください。

機械装置というのは、一般的に「複数の部品」が組み合わさって、できていますよね。

ですので、
機械装置の強度計算を行なおうとすると、
一つ一つの部品に対して、それぞれの強度計算を行なう必要があります。

このような場合、その中の「ある一つ」の部品に対して
モデル化することはできても、

そのモデルに伝達される
具体的な「力の大きさ」がわからない場合があります。

では、どのように一つ一つの部品に対する
強度計算をすればいいのでしょうか?

それは、力がそれぞれの部品に対して

  • どのように流れて
  • どのくらいの大きさの力が加わっているのか

を「見える化」する必要があります。

ここで「川を流れる水」をイメージしてみてください。

川を流れる水を見てみると、
ゆったり流れているところと、激しく流れるているところの
「流れの変化」を目で見ることができますね。

それでは、こちらの同じ川の中で
幅が「大きい所」と幅が「小さい所」では、
どちら方の流れが早いでしょうか?

答えは、
川幅が「小さい方」の流れが早くなります。

これは、蛇口に取り付けたホースの先を潰すと、
勢いよく水が出るのと同じ原理です。

実は、力の流れもこれに似ています。

川幅やホースの幅が細いと水は流れにくくなる。
すなわち、水が大量に細い場所を通過するときに、圧力が高くなります。

また、細い場所に流れる水は、
ある限界を超えると、ほかの場所へと流れを変化させようとします。

水は、
もっと圧力の低い、流れやすくなっている
場所を求めて、流れを変えようとするのです。

では、力の流れはどうでしょうか。

力の流れも水の流れによく似ています。

断面積が大きいところや硬いところ」
へ、力は流れやすい性質があるのです。

ある部品のある断面において、力を伝える限界が訪れた時、
力は別の場所を通じて力を伝えようと流れを変えていきます。

つまり、

【 川 】
(1)水の流れが早い (2)幅が細い (3)圧力が大きい

 
||(イコール)

【 力 】
(1)力の流れが大きい (2)断面積が小さい (3)応力が大きい

ということです。

力にこのような性質があることを、
基礎知識としてしっかりおさえることは重要です。

そして、部品から部品へ伝わる力の流れをイメージしながら、
具体的な数値を計算していきます。

そうすることで、
どこにどのように力が流れているのか見える化し、
数値化することができますので、複雑な問題も解決することができます。

いかがでしたでしょうか。
力の流れについて、少しイメージができたのではないでしょうか。

それでは、次回で最後となりますが、

「強度設計の経験を短縮する方法」について
執筆致しますので楽しみにしておいてください。

 

- このコラムを書いた専門家 -

赤尾 信広MONO塾講師

S45年4月16日生 機械工学専攻修了
中型旅客機、国産ヘリコプタ構造解析
スペースジェット(MRJ)主翼・前縁・SLAT構造解析
専用機開発設計等などを経験
現在、もの塾講師 機械設計技術アドバイザー