「連載:機械要素×設計」(第2回)『理想のエンジニア』の目指し方

投稿日:2020年01月16日

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前回のコラムでは、
「何でも設計できるエンジニア」になるために必要な3つの要素をお伝えしました。

ーーーーー
1.機械やモノづくりが好きであること
2.計算ができること
3.様々な技術・材料・機械要素部品を知っていること
ーーーーー

の3つでしたね。

前回は1について、

「何でもできるエンジニアは目指すものではなく
 好きな事をしていた結果、何でもできるエンジニアになれた」

というお話をしました。

忘れてしまった方は、前回のコラムを見直してみてください。

本日は2つ目の
===================
2.計算ができること
===================
についてお話していきます。

あなたは家の設計ができますか?

機械を設計する、
という話をする前に、わかりやすい例えとして
「家を設計する」場合について考えてみましょう。

あなたがもしイメージすることが得意であれば、
部屋のレイアウト図くらいなら描けるかもしれません。

また、「こんなデザインの家にしたい」とかいったように
外観をデザインすることもできるでしょう。

しかし、家を設計することはできないはずです。

なぜなら、
家を設計するためには「資格」が必要だからです。

建築士でなければ
「設計をしてはならない」と法的に定められているのです。

つまり建築士とは必ず計算ができる人なのです。

言い換えると
「計算ができる人」=「建築士」
ともいうことができるかもしれません。

では「機械を設計する」場合はどうでしょうか?

あなたもご存知の通り、
機械の設計には資格が必要ありません。

もちろん、
技術士という資格はありますが、なくても設計ができます。
そのため、計算ができない設計者もいるのが現実です。

例えばですが、
スマホのカバーやマウスの筐体のような製品を
設計するために計算の必要性はあまり高くありません。

なぜなら、計算できなくても
これらはiphoneのサイズに合わせてデザインしたり、
握りやすさや操作性を考えるだけで設計できてしまうからです。

もちろん簡単に壊れてしまえば、
買ってもらえませんので、ある程度の強度が必要となります。

スマホのカバーやマウスなどの製品ですと、
計算しなくても試作品作って、落としたり、
過度な力を加えたりして破壊しないかどうかのテストが容易にできます。

一方で、計算が重要になる分野もあります。

航空機、自動車、車両など大型のものは、
試作品を作るのが容易ではありません。

実施できるテストにも制限があります。

そのため、必ず机上計算が必要となります。

それでは、産業機械や食品機械など「動く機械」はどうでしょうか?

建築物やスマホのカバーは勝手に動いたりしませんが、
機械は「動くこと」が前提です。

そのため、
必ず「負荷の計算」「動力の計算」「強度の計算」などが必要になります。

そういう意味では、
機械の設計の方が高い計算能力が必要なのかもしれません。

以上のように、
設計対象物によって必要とされる計算能力に差が出てきます。
「計算できる能力の高さ」が重要となるわけです。

また、設計者にとって計算とは
自分が設計した製品や機械をよく知るためにも、必要なスキルです。

設計がうまくいっているのか、いっていないのか?
これは、計算してみないと判断できません。

計算の結果、

「このモーターの力では機械が動かない」
「サイズが小さすぎて『たわみ』が大きくなりすぎる」

といったように、機械を製作する前に判断することができるのです。

このように、計算は設計の根拠を作るものであり
計算することができると根拠ある設計が可能となります。

以上のことから、何でも設計できるようになるためには
「計算ができる」能力が重要だということがわかりますね。

設計歴40年以上のベテラン設計者はこのように言っています

「私は今まで40年にわたって様々な機械を設計してきましたが、
 大きなトラブルを起こしたことがない。なぜなら計算ができるからです」

これまでに、産業機械(動く機械)を中心に、
数多くの機械を設計していますが、
車両設計で培った「計算ができる」という能力のおかげで
様々なトラブルを回避できたと話していました。

もちろん、
ここまで話してきた知識や能力は経験による積み重ねが重要です。

ですが、大学や専門学校のように、
幅広い知識をかりかりと時間をかけて学んでいては
とても時間が足りません。

実務を行いながら、
限られた時間の中で学ぶ設計者にとっては
学び方による「習得スピードの早さ」が大切となります。

あなたも、できれば早くかんたんに仕事で
使える実践力を身につけたい、と思っているはずです。

人によっては、先輩に相談する
OJTや社内研修で身につけるといった
様々な方法が考えらえると思いますが、

そのような学習する環境がない

なんとか自己学習で身につけたい

という方も多いかと思います。

ですので、
ものづくりウェブでは、自己学習を行う設計者のために
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様々な工夫をしています。

また、なるべく現場ですぐに使える
実践力が身につくように経験豊富な現役設計者による
教材の監修、セミナー講師を行なってもらう、
といったことも行なっています。

今後あなたが理想のエンジニアになるために、
学習を始める際には、1つの選択肢としてお考えください。

それでは次回は3つ目の
様々な技術・材料・機械要素部品を知っていること
についてお話しします。

———- ものコラム連載「機械要素×設計」 ——————————
 
第1回:なんでも設計できる『理想のエンジニア』の目指し方
第2回:なんでも設計できる『理想のエンジニア』の目指し方
第3回:なんでも設計できる『理想のエンジニア』の目指し方
 
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