「なんとなく丈夫そう」は危険?若手設計者のための強度設計入門

投稿日:2019年01月16日

本日は、設計者にとって永遠の課題である「強度設計」について、
少し立ち止まって考えてみたいと思います。

実は、若手エンジニアの方からよく聞く悩みの一つに、
「図面は描けるけれど、強度の根拠を説明できない」
というものがあります。

もし、上司や顧客から
「なぜこの板厚にしたのですか?」
と聞かれたとき、自信を持って数値で回答できていますでしょうか。

今回は、感覚頼みの設計から脱却し、
計算できるエンジニア」になるための道筋についてお話しします。

設計者が無意識に抱えている「将来の手戻り」リスク

「前の機種がこの寸法だったから、今回も同じで大丈夫だろう」

多忙な設計現場では、このような「流用設計」が日常的に行われています。
もちろん、実績のある設計を参考にすることは重要です。

しかし、そこに潜むリスクに気づいているでしょうか。

例えば、荷重条件や支持位置がわずかに変わっただけで、
構造物に発生する「応力」や「たわみ」は大きく変化します。

特に、柱の長さが2倍になれば、
座屈荷重(耐えられる圧縮力)は単純に半分になるのではなく、
4分の1にまで低下してしまいます。

「強度の理屈」を知らずに形状だけを真似ることは、
将来的な破損事故や、手戻りによる多大なコスト発生のリスクを
常に抱えているのと同じなのです。

「壊れたらどうしよう」という現場の悩み

入社数年の設計者の方とお話しすると、
次のような不安を口にされることが多くあります。

「自分の設計した部品が、負荷に耐えられるか不安で夜も眠れない」

「不安だから、とりあえず板厚を厚くして、リブをたくさん入れた」

「CAE(解析ソフト)の結果が出たけれど、その値が正しいのか判断できない」

その結果、必要以上に重くて高コストな「過剰品質」な製品ができあがったり、
逆に、軽量化を求められた途端にどこを削っていいかわからず、
設計が止まってしまったりするケースが後を絶ちません。

「材料力学」の知識がないと、
見えないお化けに怯えるように、過剰な安全率をとるしかなくなってしまうのです。

ある若手エンジニアの「気づき」の物語

ここで、ある入社2年目の機械設計者のエピソードをご紹介します。

彼は、工場で使用する簡単な「吊り上げ用フック」の設計を任されました。
先輩の図面を参考に、形を真似て図面を作成しました。

「鉄だし、これくらいの太さがあれば絶対折れないだろう」

そう高を括っていました。

しかし、デザインレビューの場でベテラン技術者から一言、質問が飛びます。

「このフックのねじ部、底の断面積に対する応力はいくら?
 応力集中係数は考慮した?」

彼は答えに詰まりました。

「えっと……前の図面と同じM20なので大丈夫かと……」

「今回は吊り上げるワークの重さが違うし、頻度も毎日使うよね。
 疲労限度は確認した?」

彼はハッとしました。

形を作るだけが設計ではなく、
「数値で安全を保証すること」こそが設計者の責任だと
痛感した瞬間でした。

その後、彼は基礎から強度計算を学び直しました。

すると、今まで「鉄の塊」にしか見えていなかった部品の中に、
「力の流れ」が見えるようになったといいます。

「ここは応力が集中するからR(アール)を大きくしよう」

「ここは力がかからないから肉抜きをして軽量化できる」

彼の図面は、ただの絵から、意味のある「設計図」へと変わっていきました。

「計算できる」ことのメリット

強度設計の知識、つまり「材料力学」を身につけると、
設計業務の質は劇的に変化します。

・根拠のある設計判断
 「なんとなく」ではなく、
 「許容応力が〇〇MPaだから、この寸法で安全率○倍を確保できる」
 と論理的に決定できます。

・トラブル対応力
 万が一破損が起きた際も、それが
 「想定外の荷重(衝撃荷重など)」によるものなのか、
 設計ミスなのかを検証できます。

・最適な形状の追求
 強度、剛性、座屈、疲労といった複数の破壊モードを考慮しながら、
 最も軽く、コストの安い「最適な形状」を導き出せます。

CAEツールが普及した現代でも、
「出てきた結果が妥当かどうか」を判断するのは、人間の基礎知識です。

手計算レベルの概算ができる能力は、一生モノの技術資産となります。

「強度設計入門講座」という学習ルート

とはいえ、

「材料力学は大学で習ったけど、微分積分ばかりで挫折した」

「実務でどう公式を使えばいいのかわからない」

という方も多いのが現実です。

そこで、今回ご紹介したいのが、
実務直結型の学習ルートとして設計された
「強度設計入門講座」です。

本講座は、学問としての厳密さよりも、
「設計現場で使えること」を最優先に構成されています。

【本講座の特徴】

・微分・積分は使いません
 公式を導出する複雑な計算は割愛し、
 公式の意味と「どう使うか」に特化しています。

・体系的な学習ステップ

 1. 基礎
   荷重(引張・圧縮・せん断・曲げ・ねじり)の種類と変形の関係

 2. 実践
   実際の部品(ボルト、キー、軸、梁)をモデルにした応力計算

 3. 応用
   座屈(細長い柱の破壊)や、繰り返し荷重による疲労破壊

・豊富な演習
 「中空軸と中実軸の強度の違い」
 「リベット結合の強度確認」など、
 具体的な設計課題を通して、知識を「使える技術」に変換します。

全9回のカリキュラムを通じ、

荷重の特定から、応力計算、そして安全率の判定まで、
設計者が一人で強度検討を行えるレベルを目指します。

設計者としての「自信」を手にしたい方へ

図面を描くスキルに加え、
「強さを計算できるスキル」を持つことは、
エンジニアとしての大きな強みになります。

もし、今の業務で強度の壁に当たっている、
あるいは、将来のために基礎を固め直したいとお考えであれば、
この講座が良いきっかけになるかもしれません。

詳細なカリキュラムや、具体的な学習の進め方については、
以下のページにまとめております。

ご自身のスキルアップの選択肢の一つとして、ぜひご覧ください。

▶︎ 強度設計入門講座はこちら

皆様のさらなる飛躍を応援しております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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