投稿日:2021年03月11日
本日は、設計者の教育に携わっている 教育ご担当者様向け に
『ブレンディッドラーニング』について、お届けさせていただきます。
このブレンディッドラーニングは、
Eラーニングを有効に活用するための学習スタイルになりますので、
ぜひご参考いただければ大変嬉しく思います。
また、後半には教育者様向けのサービス
「評価用サイト「受講管理システム(LMS)」
についても紹介しておりますので、ぜひ最後までお読みください。
さて、早速ですが以前のコラムで
「ブレンディッドラーニング」の紹介を少しさせていただきましたが、
覚えていらっしゃいますでしょうか。
ブレンディッドラーニングとは、
その名のとおり、複数の学びを“ブレンド”して
新しい学びを構築する学び方になります。
- 集合教育と個別学習
- オンラインとオフライン
- インプット(学習)とアウトプット(演習・テスト)
など、ブレンドされる要素はたくさんあります。
ですが、組み合わせ教育のゴールは一つです!
それは、
学びのテーマに合わせた『適切なブレンド』をすることによって
学びの効果を最大化し、その後の定着率を高くするということです。
あなたもご存知の通り、
昨今のテクノロジーの進化はとても早く、
ここ10年余りで、情報にアクセスする手段は格段に増え、
手軽になんでも調べることができるようになりました。
例えばですが、あなたは日常生活の中で
「○○って何だろう?」
と疑問に思った時どうしますか?
ほとんどの方は、
すぐにスマホを開き「検索」しますよね。
今ではあたり前の行動ですが、
少し前であればどうでしょうか。
本屋や図書館へ行って調べる、
詳しそうな知人を探して聞く、といったことを
先に思いついたと思います。
ですが、
今はインターネットを使わずそのような
アナログだけで情報を取ろうとすると、時間がもったいないですね。
しかも、正確な情報を得ることができるかわかりません。
google、yahoo、youtubeなどを使って検索すれば、
テキスト・画像・動画といった、あらゆる表現から情報を得ることができますし、より早く、より正確な情報を得ることができます。
つまり、
テクノロジーの進化によって、
「場所や時間を選ばず」に「良質な情報」
にアクセスできる環境が整ってきている。
学びの『自由度』が高まっているわけです。
社内研修の変化による「悩み」とは?
ここで、
社内研修について考えてみましょう。
社内研修の取り組みについても変化が起きています。
それは、
「学びに費やせる時間」と「学びの総量」
の変化です。
1.学びに費やせる時間の減少
どういうことかと言いますと、
30年ほどまえの設計者教育といえば、上司や先輩のもとで部品図を描きながら
「考え方」や「ノウハウ」を習得するといったOJTによるものが殆どでした。
ですが、今はどうでしょうか?
顧客ニーズの多様化、開発リードタイム短縮などによって
1つの機械に充てることができる設計時間が少なくなっています。
そして、一人一人に目を配って「教える」、
又は「学ぶ」といったことができなくなりつつあります。
また、追い打ちをかけるように、
このコロナ禍においては、時差出勤やテレワークなどの
導入によって以前よりもOJTが難しい状況となりました。
2.学びの総量の増加
その一方で、テクノロジーの進化に伴い、
以前とは比べ物にならないほど
「学びの総量」が多くなっています。
以前であれば、
図面の描き方とCADの操作を学んだあとは
自然と成長することができていました。
ですが、現代ではこれでは不十分で、
電気、センサ、制御、CAE解析、コンピュータなど
非常に多くの知識が必要になっています。
専門用語がわからず、スピードついて行けず、
取り残され悩んでいる新人設計者も出ているのではないでしょうか。
実際、MONOWEB会員の皆様からも、機械のみならず、
「電気や制御についての教材を提供して欲しい」
「3次元CADやCAE解析についても学びたい」
「設計者に必要なプログラム知識を身につけたい」
というお声もたくさん頂いております。
以上のように
「学びに費やせる時間」の減少
「学びの総量」の増加
といった状況の中で教える側も学ぶ側も、
上手な時間の使い方を求められています。
悩みを解決する「ブレンディッドラーニング」のススメ
ここで、
今回のテーマであるブレンディッドラーニングの話に戻ります。
ここでは、1つの組み合わせ方法(ブレンド)として
- 基礎レベルの知識 = Eラーニング
- 実践レベルの知識 = 体験実習
と考えてみたいと思います。
実際に「ブレンディッドラーニング」の
考え方を具体化してみましょう。
一例を示しますので、
御社の状況に当てはめて想像してみてください。
<おすすめのブレンディッドラーニング>
今回は2つの学習ステージに分けて、そのメリットを考えてみます。
(1)「基礎レベルの知識」については、Eラーニングで学ぶ
○教育者側メリット
・講師や設計者などの教育者の時間を節約できる。
・分野ごとに多くの講師を増やす必要がない。
・講師の教える技術に依存せず、一定レベルの教育実施が可能
○受講者側メリット
・「自宅」「休憩」の空き時間、「通勤」などの移動時間を利用できる
・自分のペースで学習できる
(2) 「実践レベルの知識」については、体験実習・OJT で学ぶ
次に基礎レベルの知識を、「Eラーニング」で教育した上で、
実践レベルの知識を、体験実習 や OJT で教育します。
○教育者側メリット
・受講者の基礎レベルが向上しているので教材を作り込む必要がない
・受講者の知識レベルが統一されているので実習しやすい
・実習で専門用語がつかえる
・社内の実例や経験に基づく設計の勘所などを伝えることができる
○受講者側メリット
・受講中にメモをとる頻度が減少する
・先輩設計者との交流がはかれる。
・社内の実例や勘所が学べる
いかがでしょうか。
具体化することで、
イメージしやすくなったのではないでしょうか。
このように、
基礎と実践の教育方式を変えることで
さまざまなメリットを得ることができますね。
また、弊社で開催しているセミナーでは、
この方式を採用しています。
何かと言いますと、
「教える」ということに注目してください。
ものづくりウェブのセミナーでは、
設計経験者であることに加えて
「教えることのプロ」が講義を行います。
実は、教える側にとって
「基礎を教える、ということが非常に難易度が高い」
ということが意外と盲点になっています。
というのも、
「ベテラン設計者 = 教育のプロ」
ではありません。
経験豊富なベテラン設計者ほど、
当然の知識になり過ぎていて、
説明が必要であることすら気がつかないことが多いのです。
教育する際は、相手の知識レベルに応じて、
説明の表現を変えたり、理解しやすいように、
図や表を工夫することが重要です。
しかし、
教育を専門としている方ならともかく、
「設計」を専門としている方では難しいこともあります。
また、基礎を教えようとすると、
準備するべき資料の量も膨大になります。
ブレンディッドラーニングを活用して組織を強くする
ブレンディッドラーニングをより
効果的なものにするためには教育者からの
「フィードバックを受ける」ことも重要です。
情報を与え続けるだけではなく、
個々の状況に対して教育者が介入することで
学びの精度を上げることができます。
どうしても、
学習は「自分だけ」で行うと低い成果が出てしまう場合があります。
ですが、
上司や専門家が入ることで
そこに新たな視点や気づきが得られるわけです。
客観的な視点を取り入れる場を作れば、
振り返り学習のプロセスに組み込むことで
習得レベルも上がってきます。
体験実習では、
例えば実務を想定したアドバイスを行うことで、
受講者は「適切な指摘」や「フィードバック」をもらうことができます。
このように個人の学びのみにするのではなく、
上司との対話を交えることで
即戦力としてより一歩先へ進むことができますね。
今後変化を続ける「学び方」
今は学びの変革期です。
ブレンディッドラーニングを始め、
世界では新しい学びがどんどん生まれています。
学びは常に更新されています。
“実務で使える知識の習得”
私たちものづくりウェブは、
次の日本のものづくりを支える
設計者を育てる「お手伝い」がしたいです。
そのために、教育面から日本のものづくりを応援しています。
今後は、テクノロジーの進歩により、
よりデジタルを用いた学び方が増えてくるでしょう。
ですが、
ものづくりの業界においては
「経験」がもっとも重要であることに変化はないように思います。
これまで製造業を支えてきた
先輩設計者から技術を学ぶ。
設計の勘所、会社の技術的財産を
受け継ぐことが重要となるのです。
そこで、先ほど示したような
「組み合わせの教育」を
考えてみてはどうでしょうか。
基礎的な内容については、
eラーニングなどの「自己学習」で済ませ
体験実習やOJTは、社内の講師や外部の専門家で行うのです。
ぜひ、1つの参考にして頂けると大変嬉しく思います。
MONO塾が提供する「教育者様向けサービス」のご紹介
最後に、ブレンディッドラーニングをより効率的に実施できる受講管理システム(LMS)についてご紹介させていただきます。
こちらは、
『5名様以上』のご受講者がいる
法人様限定のサービスになります。
本サービス「受講管理システム(LMS)」の特徴として、
ご受講者さまが、
○ どのくらい受講が進んでいるのか?
○ 各章のテスト、まとめの「理解度テスト」が何点なのか?
○ どのような問題を間違え、苦手としているのか?
○ どんな内容を学んでいるのか?
といったことを、
1つのパソコン画面で把握することができます。
こちらに具体的な説明を記載していますのでぜひご参考ください。
また、eラーニングをご検討中の教育ご担当者様向けに、
無料で閲覧できる「評価用サイト」もご用意しております。
こちらのPDF資料から確認できますので、
ぜひダウンロードしてご覧ください。
それでは、最後までお読み頂きましてありがとうございました。
今後とも、ものづくりウェブを宜しくお願い申し上げます。