軽量化設計に役立つ! アルミニウムの種類や特徴、選定方法を徹底解説

投稿日:2022年02月18日

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非鉄金属の中で最もよく使われるアルミニウム。特に工場の自動化が進んでいる昨今では、機械可動部の軽量化を目的に多用されています。

今回のコラムでは、そんなアルミニウムの中で特に重要な材料をピックアップして解説いたします。

本コラムを読めば、それぞれの材料の適切な使い分けができるようになるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

1. アルミニウムとは? どんな種類がある?

アルミニウムは鉄系材料にはない性質を数多く持ち、その一番の違いは「軽さ」です(鉄の1/3の重量)。そのため、軽量化するのが望ましい条件でよく使われます。

たとえば、人が運ぶ運搬物を軽くすれば取り回しが簡単になるでしょう。また機械の可動部を軽くすれば、駆動させるアクチュエータのサイズダウンにつながるので、コスト削減にも役立ちます

このように、軽さが重要となる場面でアルミを使うことで、さまざまメリットを得られます。

またアルミは、酸素と反応して表面にアルミナ被膜を形成するため、耐食性を備えているのも特徴です。

1-1. アルミニウムの種類

アルミニウムには、主に以下のような種類があります。

  • 1000系(純アルミニウム)
  • 2000系(Al-Cu-Mg)
  • 5000系(Al-Mg)
  • 6000系(Al-Mg-Si)
  • 7000系(Al-Zn-Mg)

次項から、それぞれの特徴を解説していきます。

※上記のうち1000系の純アルミは、設備部品としてはあまり使われないので、解説は省略いたします。

2. 2000系アルミニウムの特徴

2000系は、アルミに銅(Cu)やマグネシウム(Mg)が加えられた合金であり、強度の高さが特徴です。アルミにSS400といった鉄系材料並みの強度を求める場合は、この種類を選ぶといいでしょう

代表的な材料は「A2017」と「A2024」になります。

2-1. 軽さと強度が必要ならA2017

A2017は2000系の代表格であり、「ジュラルミン」とも呼ばれる材料です。主な特徴は以下の通り。

  • 切削性に優れる
  • 強度に優れる(引張強さ:435N/mm^2、耐力:280N/mm^2 )
  • 溶接性は劣る(接合はボルト締結がおすすめ)
  • 耐食性は劣る

2-2. さらに強度が必要ならA2024

A2024は、「超ジュラルミン」と呼ばれるアルミ合金です。引張強さは同程度ですが、耐力が330N/mm^2 と、A2017より高い強度を備えています。

そのため、A2017では強度が足りない場合はこちらの材料を選ぶといいでしょう。強度以外の特徴はA2017と同様です。

3. 5000系アルミニウムの特徴

5000系は、アルミにマグネシウム(Mg)が加えられた合金で、アルミ合金の中で最も汎用的な材料です。

主な材料は「A5052」と「A5056」になります。

3-1. 基本となるA5052

A5052は、アルミ合金の中で一番多く使われており、強度や加工性などがバランスよく備わっています。そのためアルミ材料を使う際は、まずA5052から検討するといいでしょう

主な特徴は以下の通り。

  • 中程度の強度を備える(引張強さ:265N/mm^2、耐力:220N/mm^2 )
  • 切削性は比較的優れる(2000系よりは劣る)
  • 成形性に優れる(曲げ加工などもしやすい)
  • 溶接性に優れる
  • 耐食性に優れる
  • 主に板材が流通している

3-2. 丸棒材を使うならA5056

A5056も、A5052と同じような特徴を備えていますが、流通している鋼材が異なります。

A5052は板材が多いのに対し、A5056は丸棒材が多く流通しています。したがって、丸材を削って使う場合はA5056を選ぶといいでしょう

4. 6000系アルミニウムの特徴

6000系は、アルミにマグネシウム(Mg)とシリコン(Si)が加えられた合金です。代表的な材料は「A6063」になります。

4-1. パイプ材・形鋼材が必要ならA6063

A6063は押出し加工性に優れた材料であり、形鋼材などのバリエーションが豊富です。平角棒・丸パイプ・角パイプ・Lアングル・チャンネルなどが揃っているので、そのような形状を活かして使いたい場合は、この材料を選定するといいでしょう

他の特徴としては以下の通り。

  • A5052よりは劣るが、ある程度の強度を備える
    (引張強さ:190N/mm^2、耐力:150N/mm^2 )
  • 切削性は比較的優れる(2000系よりは劣る)
  • 溶接性に優れる
  • 耐食性に優れる

5. 7000系アルミニウムの特徴

7000系は、アルミに亜鉛(Zn)とマグネシウム(Mg)を加えた合金で、アルミの中でもトップクラスの強度を持ちます。

代表的な材料は「A7075」になります。

5-1. 2000系より強度が必要ならA7075

A7075は、前述した2000系のジュラルミンよりも高い強度を持ち、「超々ジュラルミン」とも呼ばれます。A2017やA2024でも強度が足りない場合は、この材料を選んでください

A7075の主な特徴は以下の通りです。

  • 非常に高い強度を備える(引張強さ:585N/mm^2、耐力:515N/mm^2 )
  • 切削性に優れる
  • 溶接性は劣る(接合はボルト締結がおすすめ)
  • 耐食性は劣る(2000系よりは優れる)

6. 2000系・7000系のアルミ材料を使う際の注意点

前述したように、2000系のA2017やA2024、7000系のA7075は耐食性が悪い材料です。特に2000系のアルミはその傾向が強く、使用する際は防錆対策が必須です。

またA7075も、屋内で使う場合は必ずしも防錆処理を施さなくていいですが、屋外で使用する場合は対策が必要になります。

アルミ材料の防錆対策としては「アルマイト処理」が挙げられます。ただし、2000系や7000系に対する処理性は悪いので、業者が保有する設備によってはアルマイト処理をおこなえないことも。

したがって、A2017やA2027を使用するのは防錆対策をおこなえる場合のみとし、A7075も防錆処理を施さずに屋外で使用するのは避けてください

アルミニウムの使い分けまとめ

アルミニウムにはさまざまな種類があるので、目的に応じて使い分けるのが重要です。使い分け方をおさらいすると、以下のようになります。

今回紹介した内容が、ご参考になりましたら幸いです。

なお、「機械材料について全般的に学習したい!」という方は、MONO塾の機械材料入門講座をおすすめします。実践で役立つ材料選定の手法を身に付けていけます。

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