投稿日:2026年08月24日
いつもMONOWEB通信をご購読いただき、ありがとうございます。
『公差設定入門講座』のリリースに合わせて、
本日から全3回のメルマガをお届けします。
第1回は、公差設定の基本となる「サイズ公差」をテーマに、
公差を決めるときの考え方をご紹介します。
なぜ、公差設定は「なんとなく」になりやすいのか
図面に寸法を記入するとき、
公差をどの程度にするか迷った経験はありませんか。
多くの現場では、
過去の図面に記載されている公差をそのまま流用しており、
自ら考えて適切な公差を決めることに
難しさを感じている方も少なくありません。
公差とは、加工によって生じる寸法のばらつきを、
どの範囲まで許容するかを図面上で示すものです。
公差を厳しくすれば、
必ず品質が高まるというわけではありません。
・厳しすぎる公差は、加工費や検査コストの増加を招く
・緩すぎる公差は、組立不良や品質トラブルの原因になる
そのため、製品に必要な機能を満たしながら、
品質とコストのバランスが取れた
「ちょうど良い範囲」を見極める必要があります。
サイズ公差とは?
サイズ公差は、長さや角度などの寸法について、
許容できる範囲を示すものです。
図面に記入された寸法や公差は、
設計意図を製造現場へ伝える「言語」の役割を果たします。
また、
・図示サイズに対して許容される「公差域」の考え方
・公差に合った測定方法の選び方
・角度公差では、辺が長くなるほど先端の許容範囲が広がること
なども、実務でサイズ公差を扱ううえで
押さえておきたい知識です。
「はめあい公差」を理解せずに使っていませんか?
「H7」「g6」といった、
アルファベットと数値を組み合わせた表記を
見たことがある方も多いのではないでしょうか。
これらは、穴と軸の公差域クラスを表す記号です。
穴と軸の公差域を組み合わせることで、
・すきまばめ
・中間ばめ
・しまりばめ
といった、穴と軸のはめあい関係を設定します。
記号の意味を理解しないまま、
過去の図面をまねて使ってしまうと、
「図面どおりに加工したのに、軸が穴に入らない」
「想定していたよりもガタついてしまう」
といったトラブルにつながることがあります。
記載されない公差「普通公差」
はめあい公差とあわせて理解しておきたいのが、
「普通公差」です。
図面でJIS B 0405に基づく普通公差を指定している場合、
個別に公差を指示していない寸法には、
この普通公差が適用されます。
標準的な許容差を理解しておくことで、
必要以上に厳しい公差を避け、
加工コストを抑える判断にもつながります。
サイズ公差だけでは伝えきれないこと
サイズ公差は、
長さや角度といった「大きさ」を制御できます。
一方で、部品の形状のゆがみや傾き、位置のずれといった
「幾何特性」までは、サイズ公差だけでは表現しきれません。
たとえば、2点間の距離が公差内に収まっていても、
面がうねっていたり、傾いていたりする場合があります。
このような部品も、
サイズ公差の確認だけでは
「合格」と判断される可能性があります。
サイズ公差の限界を理解しないまま設計を進めると、
「計算上は問題ないはずなのに、
実際には組み立てられない」
という思わぬトラブルにつながります。
このようなトラブルを避けるためには、幾何公差の知識も必要です。
まとめ
サイズ公差は、公差設定の基本です。
図面表記のルールを正しく理解することは、
設計意図を現場へ正確に伝えるための第一歩です。
『公差設定入門講座』では、
図示サイズ・公差域・条件記号・普通公差・はめあい公差などの
基本ルールを体系的に学び、
「正しく描き分ける力」を身につけます。
今回は、「サイズ公差」についてご紹介しました。
サンプル動画のご案内
講座ページでは、実際の講義動画の一部を
サンプルとしてご覧いただけます。
カリキュラム内の以下の章を開き、
「サンプル動画を見る」ボタンからご覧ください。
・第1章「公差設定の概要」
・第2章「サイズ公差とは」
・第5章「幾何公差の現状」
・第6章「幾何公差の付加記号」
カリキュラムとサンプル動画を見る
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次回(第2回)は、
サイズ公差だけでは制御しきれない
「幾何公差」をテーマにお届けします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ものづくりウェブ事務局


