投稿日:2025年02月25日
MONO塾では、ものづくりに携わる皆様に向けて、
新着コラムや設計に役立つ情報を月に数回お届けしています。
今回は「工数管理と業務改善」シリーズの第2回をお届けします。
【シリーズ内容】
第1回:作業時間の見える化で、ここまで変わる
第2回:工数管理を効率化するデジタルツール活用法
第3回:設計テーマ別工数の可視化と業務改善のプロセス
シリーズを通して、業務の効率化に役立つヒントをご紹介しています。
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工数管理の大切さはわかっていても、
「手間がかかる」「なんだか複雑で大変」
と感じたことはありませんか?
特に、複数の設計案件や試作を並行して進めていると、
作業時間を正しく把握するのが難しくなり、
思わぬ遅れやミスが起きやすくなってしまいます。
そんな時に役立つのが、デジタルツールの活用です。
ツールを使えば、作業時間の記録や管理が簡単になり、
業務の効率化にもつながります。
たとえば、作業の開始・終了をワンクリックで記録できたり、
データをグラフでわかりやすく分析することも可能です。
今回は、工数管理をもっとシンプルで効果的にするための
デジタルツール活用法をご紹介します。
ツールを上手に活用することで、日々の業務がスムーズに進み、
生産性アップに役立つヒントをお届けします。
工数管理の課題とは?
工数管理を手作業で行うと、いくつかの課題にぶつかることがあります。
まず、Excelや紙での管理はどうしても時間がかかり、
データをまとめる手間や、ミスのリスクも高まります。
また、情報がバラバラに管理されていると、
全体の状況を把握するのが難しくなることも。
特に複数のプロジェクトが同時進行している場合、
どの作業にどれだけの時間がかかっているのか、
正確に把握するのはなかなか大変です。
こうした曖昧さが、納期遅れやコスト超過の原因になることも少なくありません。
さらに、工数管理が特定の人に依存していると、
その人が不在のときには状況がわからなくなる
「属人化」の問題が起こることも。
この結果、チーム全体での業務配分が難しくなり、
どこに課題があるのかが見えにくくなるのです。
デジタルツールの活用法
こうした課題を解決するために役立つのが、
工数管理をサポートするデジタルツールです。
■ プロジェクト管理ツール
タスクの進捗状況をまとめて管理できるツールです。
国内でも多くの企業で利用されている「asana」や「Brabio!」は、
タスクの進み具合が一目でわかり、
誰がどの作業を担当しているのかも簡単に確認できます。
ガントチャート機能を使うことで、
全体の出図スケジュールやDRのタイミングも見渡せます。
■ 工数記録ツール
作業時間の記録を手軽に行えるツールです。
日本の製造業で広く使われている「Jooto」や「freee工数管理」なら、
直感的に操作でき、データは自動で集計されます。
スマホアプリと連携すれば、外出先でもサクッと記録が可能です。
■ BIツール(データ分析ツール)
蓄積したデータを見える化し、分析するためのツールです。
たとえば、「MotionBoard」を活用することで、
工数データから課題や改善点を簡単に発見できます。
リアルタイムでデータの変化を確認できる
ダッシュボード機能も便利です。
これらのツールをうまく組み合わせることで、
工数管理の精度と効率が大きく向上します。
効果的なツール選びのポイント
デジタルツールを選ぶときは、次のポイントに注目しましょう。
■ 使いやすさ
操作がシンプルで直感的なツールなら、
すぐに活用できます。
複雑すぎると逆に作業効率が落ちることもあるので、
わかりやすさが大切です。
■ 情報共有のしやすさ
チーム内で情報共有がしやすいツールなら、連携もスムーズ。
リアルタイムでデータを更新できる機能があると、
進捗状況をすぐに把握できます。
■ 業務フローとの相性
今の業務フローに無理なく取り入れられるツールがベスト。
API連携ができるツールなら、
他のシステムともスムーズに連携できます。
CADやPDM/PLMシステムと連携できると便利ですので検討してみてください。
■ コスト面の確認
無料プランやお試し期間を活用して、
自社に合うかどうかを確認するのがおすすめです。
導入後のポイント
ツールを導入するだけでは、効果は十分に発揮されません。
■ 共通認識を持つこと
ツールの使い方やルールを
チーム全体で共有することが重要です。
定期的な研修やマニュアルの整備も、
スムーズな運用をサポートします。
■ データの活用
集めたデータはしっかり分析して、
業務改善に活かしましょう。
見える化するだけで満足せず、
具体的な改善策を考えて実行することが大切です。
■ フィードバックの実施
定期的にミーティングを開き、課題や改善点を話し合うことで、
チーム全体の成長と改善が期待できます。
まとめ
工数管理は、手作業よりもデジタルツールを活用することで、
ぐっと効率的で正確に行えるようになります。
ツールをうまく使えば、作業がシンプルになり、
チーム全体の生産性向上にもつながります。
リアルタイムでの情報共有やデータ分析によって、
設計変更が発生しても素早く工数再見積もりが行え、
納期やコストへの影響を最小限に抑えられるでしょう。
今日からでも始められる工数管理の改善に、
ぜひデジタルツールを取り入れてみてください。
きっと、チームの働き方が変わるきっかけになるはずです。
次回は「設計テーマ別工数の可視化と業務改善のプロセス」をお届けします。
工数データを活用して、どのように業務改善を進めるのか、
具体的な方法をご紹介する予定です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
バックナンバー
第1回「作業時間の見える化で、ここまで変わる!」はこちら


