連載:新入エンジニアのための板金設計入門(第2回)-「お客様は加工現場?」

投稿日:2024年03月01日

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本日は、連載2回目となります。

前回は、「板金設計とは?」というテーマで、
板金設計の目的や重要性についてお話をしました。

加工知識に不安がある、機械に触れる経験が少ない方にとっては
気づくことの多い内容だったと思います。

さて、ここまでは「知識」の重要性について
お話をしてきましたが、実はもう一つ設計者には
注意すべきことがあります。

それは「現場に対する配慮」です。

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「設計」と「加工現場」の間の問題について

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最近、設計と加工現場の間で

加工が困難な部品

に関する問題が増えているといいます。

その理由として、
設計者が直接加工現場を訪れる機会が減っていることが挙げられます。

さらに、CADの操作はできるものの、
実際の加工技術や材料の特性に対する理解が不足している設計者が
増えていることも、問題をより複雑化させています。

本来であれば、
設計者はデスクワークだけでなく、実際に加工現場を体験し、
材料がどのように変形し、どのような加工が可能かを学ぶことが非常に重要です。

ですが、

 × 設計と製造が遠くて離れていて行けない・・・

 × 派遣社員なので、中に入れてもらえない・・・

 × できれば、現場に行く時間を仕事に当てたい・・・

 × 現場の人と交流がすくないので行きづらい・・・

 × あまり、現場に行きたいと思わない・・・

などの理由で、
現場に行くことができない方も多いと思います。

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設計者が「板金加工」を学べる教材が少ない

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では、いざ板金加工について学ぼうとする時は、
どのような方法があるでしょう。

おそらく、多くの方はまず書籍を思い浮かべるのではないでしょうか。
本屋や図書館では、技術に関する書籍を豊富に見つけることができます。

しかし、加工に関する情報はたくさんあっても、
設計の視点から見た情報は限られているのが現状です。

多くの書籍は、加工技術について
「機械の構造」や「加工現場での注意点」
に関することを中心に書かれています。

金型や一般的な加工方法に関する資料はありますが、
板金設計に特化したものは珍しいようです。

これでは、いざ学びたくても
自分に適した教科書を見つけることができません。

材料の種類は?
どの加工方法を選べばいいの?
設計図にどう指示すればいい?

といった疑問に答える内容でないと、
体系的に学ぶことは難しいですね。

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どの加工法を使用するかは「設計者」が決定します

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設計者と製造現場との連携は非常に重要です。

そして、効果的にコミュニケーションを取るためには、
技術的な「共通言語」を理解する必要があります。

そうすることで、
設計と製造が互いに協力することができるようになり、
専門知識を組み合わせて、製品を完成させることができるのです。

加工知識は加工者だけが知っていれば良い

と考える方もいるかもしれませんが、それは違います。
実際にどの加工法を使用するかを決定するのは「設計者」です。

設計者であるからこそ、
図面に描いた部品を実際に作るためには、利用可能な加工法がどのようなものがあり、
それぞれをどのように使い分けるかを理解しておく必要があります。

設計者は、加工知識を深めることで、

◯ 寸法精度や表面粗さなどの仕様を満たしながら、
  製造原価を低く、加工時間が短い加工方法を選択できる

◯ 材料のムダをなくすことで、材料費を削減できる

◯ 加工時間が短くなり、人件費を削減できる

◯ 製作納期を短くすることで、顧客満足度が上がる

◯ 汎用の工作機械で加工でき、加工費用を抑えられる

ということが実現できるようになります

この度リリースする「板金部品設計入門講座」では、

設計から製作、検査に至るまでの
一連のプロセスと知識を網羅的に学ぶことができます。

板金設計の基礎を身につけることで、
加工現場とのよりよい関係を築けるはずです。

以上、ここまでに
「お客様は加工現場?」
についてお話をしてきました。

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次回(第3回)では

即戦力への3ステップ!

をテーマにお話していきます。

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講座内容についてのお話となりますので、
ぜひ楽しみにしていてください。

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3月5日(火)にリリースします!

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いよいよ3月5日に、
板金部品設計入門講座」をリリースいたします。

とてもお得なキャンペーンをしていますので、ぜひこの機会にご購入ください。