「幾何公差アンケート」の結果を報告いたします(講座説明も含みます)

投稿日:2022年09月27日

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いつもMONOWEB通信をご購読
いただきましてありがとうございます。

先日は、
お忙しい中「幾何公差のアンケート」
ご回答くださり誠にありがとうございました。

おかげさまでたくさんの方から
アンケートの回答をいただくことができました。

『幾何公差に対するお悩み』
についても、具体的な内容をお送りただき
大変参考となりました。

「皆さまが、幾何公差について
 どのような悩みを抱えているのか?」

については、後半に「Q&A」形式でお伝えいたします。

eラーニングを製作している「専門家」が直接お答えしますので、
ご興味ある方はぜひ参考になさってください。

それでは、まずは

実施しましたアンケート結果(集計)です。

<アンケート集計結果 (%表示です)>

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■職種を教えてください

 ・設計者 = 68% ※最も多い
 ・開発者 = 4%
 ・品質管理 = 4%
 ・部品加工 = 16%
 ・組立 = 0%
 ・その他 = 8%

■勤務歴を教えてください。

 ・0年 = 0%
 ・1~3年 = 8% 
 ・4~6年 = 8%
 ・7~9年 = 8%
 ・10年以上 = 76% ※最も多い

■幾何公差を知っていますか? 

 ・良く知っている = 8%
 ・知っている = 28%
 ・簡単なことなら知っている = 60% ※最も多い
 ・全く知らない = 4%

■幾何公差の導入状況を教えてください。

 ・既に導入済みで積極的に活用している = 20%
 ・一部導入済み = 36% ※最も多い
 ・これから導入する予定である = 8%
 ・導入したいが活用方法がわからない = 16%
 ・今のところ導入する予定はない = 12%
 ・わからない = 8%

■導入の目的を教えてください。
(導入している方、またはこれから導入予定の方へ質問です)

 ・設計で必要になった = 68% ※最も多い
 ・コストダウン = 7%
 ・国内の顧客からの要求 = 18%
 ・海外の顧客からの要求 = 7%

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このような結果となりました。

いかがでしょうか。

この度のアンケートは、
幾何公差に問題意識のある「経歴10年以上の設計者」の方に
多く回答をいただきました。

この結果からも想像できる通り、
設計経験の長い方が、問題意識を強く持たれているようですね。

若手設計者の教育や、社内への知識の共有について
悩まれている方もいらっしゃいますが、
皆さまそれぞれに、幾何公差は「難しい」と感じているようでした。

それでは、皆さまからいただきました

「お悩み」

についても、ここでご紹介させていただきます。

いただきました「お悩み」については、
新eラーニングで解決できるように講座の製作を進めております。

また、本アンケートは
製作責任者である「 本田 裕 」が目を通し、
専門家の視点から回答しております。

こちらの「Q&A」を見ていただくだけでも、
幾何公差について理解が深まるかと思いますので
ぜひ読み進めてみてください。

幾何公差入門講座についての「Q&A」全11個

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Q 私は設計者ですが、実践的な内容が学べるのでしょうか。

A はい。幾何公差の種類、図示方法などの初歩的な内容から、理解することが難しい 「最大実態公差」「最小実態公差」といった、便利に利用できる応用的な知識まで学ぶことができます。また、学んだ知識をすぐに実践で活かせるように、具体的な製品を使って公差設計の演習を行ってもらいます。

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Q 書籍で見かけるような簡易的な図ではなく、実際に使用するような「具体的な製品図など」を題材に学習できますか?

A はい、より実践的に学んでいただけるように、回転運動する「ギアポンプ」と往復運動する「Xステージ」を題材にした演習問題をご用意しています。こちらでは、製品の起こりうる問題を考えて「どのような目的でどのような幾何公差を使用したほうが良いのか?」という考え方を身につけていただける構成となります。

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Q 幾何公差の「測定方法」が知りたいです。講座の中で紹介されていますか。

A はい、測定方法については「現場でできる簡単な測定方法」から「検査室で行うような精度の高い測定方法」までを学ぶことができます。

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Q 「流用設計」で元の図面の幾何公差をそのまま活用しています。何も考えず同じ公差を入れているため、どうしてそれが必要なのかわかりません。そのような状態からでも講座を受講すれば、わかるようになるのでしょうか?

A はい、わかるようになります。本講座は、設計者だけではなく、加工者や測定者にも理解できるように、初歩的なところから説明しております。どのようなところに幾何公差を入れたら良いかも、例を取り上げ理解できるようになっています。

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Q 「幾何公差の導入」を検討中ですが、性能を満足させるために幾何公差を記入したとしても 「所有している測定機が限られる、歩留まりが悪くなる」ということもあり、難しく感じています。何か良い進め方があるでしょうか?

A たしかに測定機には限りがあるので、はじめからすべてを網羅するのではなく、良く使う幾何公差から導入するのが良いでしょう。測定機は、レンタルや各県にある工業試験場で使用できるので、購入する前にレンタルや工業試験場などを利用するのがおすすめです。講座内では、どの幾何公差がどのような部品に使われるのか、どのような測定機を使うのか解説しています。

また、幾何公差を導入したら歩留まりが悪くなると考えるのは間違いです。歩留まりが悪くなるのは、幾何公差を必要以上に厳しくしているか、いままで不良品を受け入れていたかのどちらかです。適切に設定すれば、歩留まりが悪くなることはありません。講座を受講することで、過剰に幾何公差を指示しなくても良くなります。

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Q 幾何公差を入れると「検査手順が複雑になる、検査箇所が増える」というデメリットが考えられますが、それでも幾何公差を用いる方が良い理由と実例を教えてほしいです。

A 精度を必要とする部品の場合、幾何公差を入れるデメリットより幾何公差を入れるメリットの方が多くなります。なぜなら的確な幾何公差を入れることで、不良品が減り、製品を回収するリスク、信頼を失うリスクが削減できるからです。特に海外に部品を発注している場合は、幾何公差を活用した方が不良品を減らせます。また、幾何公差を上手に活用できれば、部品の形状を変更せずにコストダウンすることも可能です。そのようなノウハウも本講座の中で解説しています。

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Q 設計者、生産者ともに幾何公差の理解があいまいで、使いこなすことができていません。会社として、どのように幾何公差を導入していくのが良いでしょうか?

A 幾何公差を有効活用するためには、設計者と生産者がともに幾何公差に対して共通認識を持つ必要があります。最初からすべてを完璧に理解することはできないため、まずは社内で良く使う幾何公差を洗い出し、その幾何公差を重点的に普及させるのが良いでしょう。良く使う幾何公差はそれほど多くないはずです。良く使う幾何公差が測定できる測定機を準備し、どうやって加工すれば、どのくらいの精度で加工できるのかを一つずつ理解していきましょう。

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Q 「製造現場へ幾何公差を説明する」必要がありますが、なにか良い方法があれば教えてください。

A 本講座を受講して頂くのが一番確実かと思いますが、それが無理なのであれば、幾何公差をどのように測定するか理解してもらいましょう。製造現場では理論よりも、具体的な数値の方が理解しやすい人が多いと思います。測定方法がわかれば、幾何公差の数値の中に入れるにはどうすれば良いかを検討しやすくなります。本講座では、測定方法の紹介をしており、解析手順も演習で身に付けられます。

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Q 幾何公差について海外拠点のメンバーと話が合わない時があり、困っています。

A 海外では同じ幾何公差でも解釈が異なる場合があります。まず、どの規格に従っているかを確認しましょう。日本国内ではJIS規格に準拠する必要がありますが、JIS規格も時代により変わっているので、昔の指示では通じません。そのため、古い図面の指示をそのまま流用していては、通じなくて当然です。また、現在はISOが世界標準となっていますが、日本のJISと同様に各国でも規格を作っており、その規格がISO規格と違う場合があります。

とくにアメリカはASMEという独自規格でものづくりしているため、厄介です。基本的には、アメリカではASME、それ以外は基本的にISOに準拠するようにしましょう。最新のJISは、ほぼISOを翻訳して作られるため、まずは最新のJISを理解することをおすすめします。今講座はJISに準拠して作られており、重要な部分はASMEと比較しています。

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Q 国内では幾何公差を入れなくても問題なく運用できています。そのような場合でも幾何公差を入れたほうが良いのでしょうか?

A 現状維持で良ければ、無理に幾何公差を入れる必要はありません。ただし、現状維持では競争力が低下していきます。競争力を強化するには、高品質化が必要です。高品質なものづくりをする際に、幾何公差を使わないと確実に値段が上がりますが、幾何公差を上手に活用するだけでコストアップを最小限に抑えられます。

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Q 「幾何公差の測定方法や品質保証の仕方」に困っています。講座を受講すれば解決できるでしょうか?

A 測定方法については学習できますが、品質保証の仕方までは解説しておりません。

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いかがでしたでしょうか。

アンケートを元に、
代表的なものを「Q&A」としております。
参考になりましたら幸いです。

また、実際に悩みを解決いただくには、
講座を受けていただく必要がありますが、
本内容が、講座が役立ちそうかどうかの目安になれば幸いです。

講座発売時には、
より詳細な説明と、サンプル動画も公開しますので
そちらは秋のリリースまでお待ちください。

以上、アンケート結果のご報告となりました。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。

ものづくりウェブ事務局