投稿日:2020年09月04日
今回は、前回に引き続き、
「なぜ壊れたか?原因を感覚的に捉える方法とは?」
についてお話します。
あなたは、日常で少なからず「モノが壊れる」
という経験をしたことがあると思います。
強度設計では、この経験が非常に役に立ちます。
ベテランの設計者は、この経験が豊富にあるため「イメージ」と「理論」を
結びつけながら計算ポイントを抽出したり、公式を活用したりできるのです。
一方で、
- 子供の頃に工作などをしたことがない
- 自分で家具や家電の組立や分解をしたことがない
- 設計経験が浅い
といった方は「ものが壊れる」イメージが湧きにくく
複雑な計算式だけを見ると、
アレルギー反応がでてしまい思考が停止してしまうことが多い。
今回は、そのような「超初心者」
- モノづくりの経験が少ない
- 数学が苦手
- 力学知識が足りない
という方が、
どのようなステップで学習を進めるのが良いのか。
といったお話をさせていただきます。
もちろん、すでに設計でバリバリ計算をしている方にとっては、
とくに重要な内容ではありませんので、読みとばしていただいて結構です。
あなたが、
「これまで強度計算にチャレンジしたが挫折した」
「今後のキャリアのために学習したい!」
「覚える必要がでてきた!」
「自分で学習を進められるだけの知識がほしい」
ということでしたら、
本内容は参考になるかと思いますので
ぜひ読み進めてみてください。
また、教育者の方もお読みいただけると参考となる部分があるかと思います。
なぜ、強度設計は難しいのでしょうか?
MONOWEBでは、
会員様向けに定期的なアンケートを実施しています。
その中では、
- なかなか理解しづらい…
- 専門書の解説が容易でない
- 学習の仕方が判らない
- 何から始めれば、よいかわからない
- 理系ではないので基礎から理解したい
- どのテキストを使えばいいのかわからない
- まったく0からなのでわかりません
- 一から効率よく勉強していくスケジュールを、ご教示願います
というような声をいただいています。
(こちらは、いただいたアンケート回答の一部です)
強度設計が、多くの方にとって「勉強することが難しい」という
イメージを作っている原因として、たくさんの公式や、
専門用語がでてくることが考えられるのではないでしょうか。
アンケートでもそうですが、回答を見てみると、
- たくさんの公式を覚えなくてはいけない
- 公式をどのように使えば良いのか分からない
という声が多く見られます。
実は、これは「勘違い」であり
強度設計で使用する公式は暗記する必要はありません。
こちらについては、後ほど説明させていただきます。
いずれにしても「難しい」という
イメージのまま勉強をしないで悩みを抱えてしまっている。
この壁をなんとか飛び越えていきたいですね。
これまでと「逆」の発想をしてみましょう。
いままであなたは学校へ通い、
通常の学習をしてきていると思います。
その中で、どのような時に学習が難しいと感じたでしょうか。
得意な科目や、面白い授業であればいいですが、
興味が元々ないものを、一から覚えようとすると苦痛ですし、
なかなか頭に入ってきませんね。
それは、強度設計の学習にも当てはまります。
ですので、まずは理論的な学習に入る前に
「なぜ強度設計が必要なのか?」
について、しっかりと理解する必要があります。
つまりは「なぜ物が壊れてしまうのか?」
といったことをイメージとして捉える必要があるのです。
「赤尾式」学習方法を少しご紹介いたします。
ここで、
MONOWEB講師である赤尾が実施する強度設計の学習方法を紹介しましょう。
・赤尾講師プロフィール
・現役の機械設計エンジニア(経歴20年)
・製品設計から設備設計、航空機から専用機や
装置に至るまで多様な設計を経験
・強度計算書作成セミナーの講師(多数開催)
<赤尾講師のメッセージ>=========
一般的な強度設計の専門書では、
引張、圧縮、せん断、ねじり、曲げなどの公式と
その公式の導き方が示されております。
学問としてその導き方を身につけるためには非常に重要なことですが、
実務の利用に関しては、公式を導く過程を計算書で示す必要ありません。
何故なら、既に材料力学の教科書等で
その公式が間違っていないことが証明されているからです。
ゆえに公式をそのまま活用すればよいのです。
とはいっても、いざ計算対象の図面を見ても
その公式をどのように使用すればよいかがわからないという
新しい問題が出てきます。
実際、私はこれまで
多くのエンジニアに強度計算を教えてきました。
大学で機械工学を専攻して、
材料力学をきちんと学んだことがある人でさえ、
実務でどの公式を活用すべきか選択に迷ったり使ってみたものの
その答えがあっているかどうかということに不安を覚えたのです。
それは、なぜか?
その原因は、あるギャップがあったからでした。
ですので、
そのギャップを埋めるために私が考える効果的な学習方法としては、
- まずは、実際に壊れたモノを見てみる
- どのようにして壊れたのかイメージする
- 原因を分析する
- 力を示す矢印を写真や図面に入れる
- その力が物体内にどのように流れているか見える化する
- 計算ポイントと補強ポイントを確認する
- 公式を当てはめて計算する
といった流れで問題解決していきます。
この方法を取ることで、
ギャップがなくなり、強度計算にだんだん自信がついてきます。
実際に力の流れのイメージ、ものの変形のイメージができるようになり、
イメージがだんだん理論的な考えに整理されていきますので、
数学がニガテ、経験がない方でも理解しやすくなります。
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まずは、学習の「きっかけ」を作りましょう!
あなたが目指すゴールは、
○強度設計は「難しい」 と思っていたものが 「できるかも」に変化する
○強度計算の断片的な点の知識が「線の知識」になる
○「主要となる知識」を吸収できる
○「自分で学習する力」が身につく
といったことになります。
こちらを達成することができれば、
MONOWEBサイトにある無料コンテンツ記事も、
より深く理解することができます。
また、
世の中にすでに存在する便利な計算ツールなどを活用し、
便利に問題解決できるようにもなるでしょう。
強度設計とは、奥が深く追求すれば、
かなり専門的な学習や、多くの経験を積む必要があります。
一朝一夕で身に付く能力ではありません。
とはいえ、
なにごともそうですが
まずは「興味を持って学び始める」ということが大切ですね。
始めなければ0のままです。
ですので、MONOWEBでは、
過去に挫折したことがある、数学が苦手、力学知識が0の方でも
まずは
「強度設計に興味を持って、自分で学習できる力を身につける」
ことを目標としたオンデマンドセミナーを開発することといたしました。
“超初心者向け”強度設計入門オンラインセミナー
これまで、説明してきたようなイメージから入り、
必要最低限(かつ重要)な知識を学べる
オンデマンドセミナーの紹介です。
- 文系出身
- 数学が苦手
- いままで勉強したことがない
- 設計部署じゃない
- なにから学べばいいのかわからない
といった向けの、
本当に「超」初心者向けセミナーとなります。
ですので、
ある程度の経験者や、すでに知識がある方には向きません。
基本的なことが理解できている方は、
1つ上のクラスになる昨年から開催している
「強度計算書作成セミナー」がおススメです。
「超初心者向け強度設計入門オンラインセミナー」は、
これから、自力で学習していく力を身につけたい、
と思う方にとって、役立つセミナーとなります。
強度設計超入門セミナーは「動画セミナー」として販売中です。
詳細はこちらをご確認ください。→ 強度設計超入門セミナー