【ものづくりの学び】作業時間の見える化で、ここまで変わる!

投稿日:2025年02月20日

MONO塾では、ものづくりに携わる皆様に向けて、
新着コラムや設計に役立つ情報を月に数回お届けしています。

今回から3回にわたって「工数管理と業務改善」に関するシリーズをお届けします。

シリーズ内容
第1回:作業時間の見える化で、ここまで変わる
第2回:工数管理を効率化するデジタルツール活用法
第3回:設計テーマ別工数の可視化と業務改善のプロセス

シリーズを通して、業務の効率化に役立つヒントをご紹介します。

ーーーーーーー

日々の仕事で「いつも時間が足りない
と感じることはありませんか?

その原因は、仕事の量が多いからだけでなく、
「どんな作業にどれくらい時間を使っているのか」
が把握できていないことにあるかもしれません。

作業時間を見える化することで、
普段は気づきにくい無駄な作業や
優先順位の曖昧な部分を見つけることができます。

今回は、この「作業時間の見える化」を通じて、
忙しさの原因を発見し、具体的な改善策を実行する方法をご紹介します。

忙しさの原因はここにある!

忙しさの原因は、仕事量が多いだけではありません。
仕事の負担が一部のメンバーに偏っていたり、
作業時間の見積もりが正確でなかったりすることも大きな要因です。

この結果、思ったより作業に時間がかかり、
納期に追われたり、ミスが増えたりすることがあります。

また、仕事の優先順位が曖昧で、
重要な業務が後回しになることもあります。

作業の進捗状況がチーム内で共有されていない場合、
他のメンバーがサポートするタイミングを逃してしまうこともあります。

さらに、慣習的に続けている会議や定例報告が目的を失ってしまい、
無駄な作業として時間とエネルギーを浪費することもあります。

実際の事例から学ぶ

ある機械部品メーカーでは、
CAD操作や解析に熟練したベテラン設計者に 作業が集中し、
新人は、図面作成や試作品評価の経験を積む機会を得られず、
チーム全体のスキルバランスが崩れてしまいました。

その結果、ベテラン社員の負担が増え、
ミスや遅延が発生するリスクが高まりました。

また、別の企業では、作業時間の見積もりが曖昧だったため、
プロジェクトが予定通りに進まず、余分なコストが発生しました。

納期直前で遅れに気づき、
急遽追加のリソースを投入することになり、予算オーバーに繋がったのです。

さらに、無駄な会議や報告業務に多くの時間を使い、
重要な業務に集中できず、生産性が低下するケースもあります。

このような状況が続くと、
モチベーションの低下やストレスの蓄積にも繋がります。

効率化のための3つのポイント

1. 作業時間を記録して見える化する

まずは、CADモデリングや図面作成、部品表(BOM)の更新など、
設計工程ごとに作業時間を記録して「見える化」しましょう。
特別なツールは必要なく、シンプルなスプレッドシートでも十分です。

2. 記録データを活用して改善する

記録したデータをもとに、
過去の実績を振り返りながら作業時間の見積もりを改善していきます。

機械設計という創発的な作業で、設計変更や手戻りがゼロになることはありません。
過去のデータから、失敗のリスクや余裕工数を正しく見積もりましょう。

これにより、計画と実績の差を縮め、
現実的なスケジュール管理が可能になります。

3. 定期的な振り返りで無駄を見直す

定期的に振り返りを行い、無駄な業務を分析します。

特に機械設計では、CADデータや解析結果などの
ナレッジを社内で共有しやすい形にまとめることが重要です。
過去の設計データを流用・再利用することで、工数を大幅に削減できます。

改善策をチーム全体で話し合いながら実行することで、
少しずつ業務の効率化が進んでいきます。

可視化することで得られるメリット

作業時間を可視化することで、業務負担の均等化が図れます。

特定の人に業務が偏ることなく、
チーム全体でバランスよく仕事を進めることができます。

また、余裕を持って作業に取り組めるため、
ミスが減り、仕事の質も向上します。

計画的な進行により、納期遅延や無駄なコストの削減も可能です。

さらに、自分の成長や成果が数字として見えることで、
達成感を得られ、仕事へのモチベーションも向上します。

まずはここから始めてみましょう!

これなら自分たちのチームでも取り入れられるかも」と思ったら、
まずは今日の作業時間を記録することから始めてみてください。
どんな小さな業務でも構いません。

記録することで、
これまで気づかなかった無駄な時間や改善点が見えてきます。

そして、どの仕事にどれくらいの時間を使っているのかを振り返り、
気づいたことをメモしてみましょう。

この小さな一歩が、大きな変化への第一歩となるはずです。
ぜひ、気軽に取り組んでみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
効率的な働き方を一緒に目指しましょう。

次回は「工数管理を効率化するデジタルツール活用法」をお届けします。

工数管理をより簡単かつ正確に行うためのデジタルツールをご紹介しますので、
ご参考になれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。