第2回:何が評価されている? ー 製造業で共通する「仕事の見られ方」

投稿日:2026年02月19日

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いつもMONOWEB通信をご購読いただき、ありがとうございます。

前回のメルマガでは、
製造業の仕事は一つの工程だけで完結するものではなく、
全体の流れの中でつながっているというお話をしました。

第2回となる今回は、
新入社員・若手社員の育成において、
多くの教育担当者の方が直面しやすいテーマ、

製造業では、何が評価されているのか?

についてお話しします。

若手社員が仕事に慣れてくると、
「一通りこなせるようになってきたのに、
 なかなか評価につながらない」
という状況を目にすることがあります。

その背景には、
製造業ならではの“仕事の見られ方”があります。

製造業の評価は「成果」だけではない

製造業の現場では、
「結果が出ているか」だけで評価されるわけではありません。

もちろん成果は重要ですが、
それと同時に、
どのような考え方で仕事に取り組んでいるか
が見られています。

たとえば、
・自分の工程だけを最適化していないか
・次の工程への影響を考えているか
・問題が起きたときに、原因まで考えられているか

こうした点は、
日々の業務の中で自然と評価に反映されていきます。

「言われたことはやっているのに…」

育成の現場では、
次のような場面を見かけることはないでしょうか。

決められた作業は、きちんとこなしている。
指示された内容も守っている。

それでも、
「もう少し考えて動いてほしい」
と伝えたくなる。

このとき問題になっているのは、
作業量やスピードではありません。

「その仕事が、全体の中でどんな意味を持つのか」
を理解したうえで行動できているか、
という点です。

製造業では、
部分的に正しくても、
全体として最適でなければ評価されません。

製造業で重視される6つの視点

製造業の現場では、
仕事を見る際の共通の視点があります。

それが、次の6つです。

・生産性
・品質
・能力
・環境
・在庫
・保全

これらは、
設計・製造・品質・調達・営業など、
どの部門であっても共通して意識される考え方です。

たとえば、
生産性だけを優先すると品質が下がる。
品質を追いすぎるとコストや納期に影響が出る。

製造業では、
一つの指標だけを見るのではなく、
全体のバランスを取ることが重要とされています。

「全体を見る視点」が評価につながる

こうした視点を意識できるようになると、
若手社員の仕事への向き合い方は変わってきます。

・なぜこの手順が必要なのか
・どこに無理やムダがあるのか
・改善するとしたら、どこから手をつけるべきか

こうした問いを持ちながら行動できるようになると、
自然と周囲からの信頼も高まり、
評価につながっていきます。

これは、
経験年数や役職に関係なく、
早い段階から身につけることが可能です。

若手社員・佐藤さんの気づき

入社3年目の佐藤さんは、
製造現場での作業を担当していました。

作業自体は問題なく進めていましたが、
上司からは
「もう一歩踏み込んで考えてほしい」
と言われ続けていました。

あるとき、
工程全体の流れを改めて整理してみたところ、
自分の作業が次工程の負担を増やしていることに気づきました。

そこで、
作業手順を少し見直し、
次工程が作業しやすくなるよう工夫した結果、
現場全体の流れが改善されました。

この経験を通じて佐藤さんは、
「自分の仕事だけでなく、
 全体を見ることが大切なのだ」
と実感しました。

製造業で成長するために

製造業では、
決められた仕事をこなすだけでなく、
全体の中で自分の役割を考えられる人材が求められます。

評価の差が生まれる原因は、
能力の差ではなく、
仕事を見る視点の違いであることがほとんどです。

製造業特有の考え方を理解し、
仕事を見る目を養うことで、
日々の業務の意味がより明確になります。

次回(第3回)は、
「専門知識の前に身につけるべきもの ー 製造業で伸びる人の共通点」
についてお届けします。

ぜひ、次回のメールもご覧ください。

ものづくりウェブ事務局