【第2回:電子回路入門】機械技術者が知るべき電子回路の基礎知識 – 実践に役立つポイント

投稿日:2023年12月11日

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電子回路入門講座について、
12月中旬から年明けにかけてのリリース予定とお伝えしていましたが、

12月15日(金)

に、リリースが正式に決定いたしました。

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さて前回は、
「機械技術者にも電気の知識が必要?」
についてお話ししました。

ここまでに、機械設計者が電子回路の知識を学ぶ必要性について
ご理解いただけたのではないでしょうか。

それでは、本日は
機械技術者が学ぶべき「電子回路」の知識とは?
について考えてみましょう。

以前に募集した「アンケート結果」を公開します

実は、今年の7月に、
MONO塾会員様向けに「電気・電子工学」に関するアンケートを実施していました。
その際は、ご協力いただき誠にありがとうございました。

こちらのアンケートでは、
eラーニングに「どのような内容を求めているか」についての
ご意見をいただきましたので、結果をご報告いたします。

本アンケートは、
主に「現役の機械設計者」からの回答を多くいただきました。

<アンケート結果>

●質問:

・電気関係の講座を受講したい理由は何ですか?

●回答:

1位)電気技術者と意思疎通を図りたいため・・・66.7%

2位)電気図面が読めるようになるため・・・63.6%

3位)簡単な電気回路を設計できるようになるため・・・58.1%

※4位以降は、10%未満でした

いかがでしょうか。

わたしたちは、こちらの結果から以下のことを推測しました。

コミュニケーションの重要性

 最も多くの方が「電気技術者と意思疎通を図りたいため」と回答していることから、 チームでの協力作業やプロジェクトの効率的な進行において、円滑な意思疎通が不可欠であることが分かります。

技術的スキルの必要性

 「電気図面が読めるようになるため」と「簡単な電気回路を設計できるようになるため」という 回答が続いていることから、専門技術の習得が重視されていることがわかります。
 これは、電気に関連する基本的な技術的スキルや知識が、仕事の幅を広げ、 より多くの職務に対応できるようにするために重要であることが分かります。

その他の理由の少なさ

 4位以降の理由が10%未満であることから、 大多数の受講者が「電気技術の基本的な理解」を求めており、電気技術者が必要な専門知識やニッチな内容を求めている方が少ないことが分かります。

また、「希望する講座のレベルを教えてください。」という質問に対しては、

・理系の高校出身なら理解できるレベル・・・53.5%

・文系出身でも理解できるレベル・・・30.2%

という結果でした。

このアンケートの結果から、eラーニングには、

「理系出身者のための専門的な内容」と、
「文系出身者や初学者が理解しやすい基礎的な内容」

の両方をバランス良く提供する必要があることがわかりました。

電気技術者と意思疎通を図るために、どうすればいいのか?

機械設計と電気技術は、現代の製品開発において欠かせません。
しかし、両者は異なる専門分野であり、お互いの技術を十分に理解し合うことは難しい。
そのため、両者の連携を図ることが重要となります。

両者の連携を図るためには、まずは「共通言語」を身につける必要があります。

電子回路の意味を理解し、
他の構成要素と上手く連携をとってシステム全体を設計していくためには、
高度な擦り合わせが必要になります。

また、全ての構成要素の実力を引き出して
システム全体の効率を高めるのは、機械設計者の仕事です

<例)田中さんの自動車メーカーでの気づき>

ある自動車メーカーで機械設計者として勤める田中さんは、
新しい電気自動車の開発プロジェクトに携わっていました。

彼は機械部分の設計に長けていましたが、
電気自動車の開発には、機械と電気の連携が不可欠でした。

特に、エネルギー管理システムの設計では、
バッテリーの充放電の最適化やモーターの効率的な制御など、
電子回路に関する深い知識が必要でした。

田中さんは自身の電子回路に関する知識に自信が持てず、
電子回路の専門家である佐々木さんに助けを求めました。

佐々木さんは、バッテリーの充放電を最適化する電子回路の設計や、
モーター制御に関する重要性について、田中さんに詳しく説明しました。

そして、

二人は協力して、電子回路が車の性能にどう影響するかを検討しました。
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加速時のバッテリーからモーターへの電力供給の効率化に必要な電子回路の設計、
エネルギー回生ブレーキシステムの設計などを議論しました。

この協力を通じて、
田中さんは電子回路の知識が車両設計全体に与える大きな影響を実感しました。
また、電気技術者と機械設計者の連携の重要性も改めて認識しました。

では、機械設計者にとって、
どのレベルの『電子回路の知識』が必要なのでしょうか?

機械設計者は、機械の構造や機能の設計を担当するエンジニアです。

機械設計者には機械力学、材料力学、熱力学、流体力学など、
多岐にわたる知識が必要です。

一方で、電気設計者は回路設計に関する広範な知識を必要としますが、
機械設計者にとって最も重要なのは「機械と電気の連携に関する知識」です

例えば、電気技術者が回路設計を行うには、
以下のような知識が必要です(※業界によって多少異なります)

<回路設計に必要な知識>
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・数学の知識
・電磁気学
・電気回路 
・電子回路 
・制御工学
・電力制御
・信号処理
・情報工学
ーーーーーーーー

※ 機械技術者が電気技術者と意思疎通を図るために最初に理解すべき知識

この中で機械設計者にとって必要なのは、
電気回路」と「電子回路」の基礎知識です

電気設計者は電気・電子の全分野を広く深く学ぶ必要があります。

ですが、機械設計者は「電気回路」と「電子回路」の
2つの分野に関する基礎知識を身につけることで、
機械の設計に関連する必要な知識を十分に習得できます。

電子回路の知識を学ぶことで、
機械設計者には、どんなメリットがあるの?

機械設計者が、電子回路を学ぶことで以下のメリットがあります。

1)電気技術者と円滑なコミュニケーションがとれる

 現代の機械は、ほとんどが電子回路を搭載しています。

 そのため、機械設計者は電子回路の知識を理解していなければ、
 電気技術者と円滑なコミュニケーションをとることができません。

 電子回路の知識があれば、電気技術者が使用している専門用語を理解し、
 自分の設計意図を正確に伝えることができます。
 また、電気技術者の意見を理解し、より良い設計に反映させることができます。

2)部品選定やトラブルシューティングに役立つ

 機械を設計する際には、適切な部品を正しく選定することが重要です。
 また、機械が故障した際には、原因を突き止め、適切な対処をする必要があります。

 電子回路の知識があれば、部品の役割や特性を理解し、
 適切な部品を選定することができます。
 また、トラブルの原因を特定し、適切な対処を行うことができます。

3)新しい機能を追加したり、機械を自動化したりすることができる

 電子回路の知識があれば、機械に新しい機能を追加したり、
 機械を自動化したりすることができます。

 例えば、機械にセンサーを追加することで、機械の状態を監視したり、
 自動制御したりすることができます。
 また、マイコンを搭載することで、機械の動作をプログラム化することができます。

4)電気・電子の基本的な知識を身につけることができる

 電子回路の知識は、電気・電子の基本的な知識を身につけるためにも役立ちます。

 電子回路の知識があれば、電気・電子の仕組みを理解し、
 電気・電子機器を設計したり、保守したりすることができます。
 また、電気・電子に関する最新の技術動向を把握することができます。

以上のように、電子回路の知識を学ぶことで、
機械設計者はさまざまなメリットを得ることができます。

電子回路入門講座では、
電気・電子の基本的な知識を身につけることができます

電子回路入門講座は、
機械設計者にとって不可欠な「電気回路」と「電子回路」の
基礎知識に焦点を当てて構成されています。

この知識を習得することで、
機械設計の多様な分野で活躍することが可能になります。

さらに、
この講座は電気技術者が基礎知識を学ぶための
入門講座としても利用できるほど、実践的な内容を含んでいます。

この機会を活かして、
機械設計者としての、さらなるスキル向上を目指してください。

以上、ここまでに

「機械技術者に必要な「電子回路」の知識とは?」

についてお話をしてきました。

本日は以上となります。

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次回(第3回)では

電子回路を効率的に学ぶ方法

をテーマにお話していきます。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

———– 連載「電子回路入門」 —————————-
 
第1回:機械技術者にも電気の知識が必要? – 知識不足によるリスクを解説
第2回:機械技術者が知るべき電子回路の基礎知識 – 実践に役立つポイント
第3回:電子回路を効率的に学ぶ方法 – カリキュラムを公開!
 
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