投稿日:2015年09月20日
設計とはアイディアを形にするものである
「設計者として成長したい」
このメールを見ている方は、このように思っている方が多いのではないでしょうか。
設計とは、アイディアを製品化することがその役目となります。
設計者としてさまざまな知識を学び、その知識を活かして世の中に役立つ商品を作りたいと思うことは当然だと思います。
また、一人前の設計者になるには非常に多くの知識を身につけることが必要となります。
そのため、設計者として成長するために実務経験よりも、「学習」の方が重要だと思われる方も多いことでしょう。
製図、力学、材料、加工、品質管理と、一人前の設計者になるために、身につけることは多岐に渡ります。
しかし、私は技術者として一番重要なことは「実践すること」だと考えています。
自身も含め、今まで数多くの設計者を見てきましたが実務経験の中で、できることを増やしていくのが一番成長が早いですし、現場の即戦力に育ちます。
なので、今日は『設計とは』ということについてお話したいと思います。
設計とは
まず、第一に。
設計について、知識や資格、製造方法など技術面に偏った考え方をしている人も多いですが、
私は、設計とは「コミュニケーションの質」だと考えています。
これは、一般的な設計者にとって意外であり少し違和感を感じるかもしれません。
なぜなら、このようなことはあまり言われないですし、日常で技術以外のことに、視点を向けることが少ないからです。
しかし考えてみてください。
設計は自分だけの作業ではなく、関連部署との連携が必ず必要となってきます。
場合によっては、他社と連携してモノづくりをすることもあります。
そうなると、そこには必ずコミュニケーションが生まれます。
関係者との意思疎通、確認作業が必要になります。
つまり、自分だけの知識、技術力だけで一人前の設計者になる・・・
なんてことはできません。
むしろ、
「技術よりもコミュニケーション力が重要」と思った方がいいくらいです。
なぜかと言えば、それは簡単な話で、、、
ものづくりとは、
「どれだけ世の中が必要としている製品を作れるのか」
が一番重要だからです。
世の中のニーズに合う製品を作るには、
- 適正なデザイン
- 適正な価格
- 適正な機能・仕様
- 適正なタイミング
- 安定した材料の仕入れ
- 安定した生産体制
- 守る規格や法規制
などを考えて製品化しなければいけません。
そのため、例えば『メカ設計』の方であれば、エレキ・ソフト・デザイン・生産技術、
さらに製造・メンテナンス・知財・営業・企画・マーケティング
といった部署との連携が必要であり、それぞれの意見を取り入れることで世の中のニーズに合った製品が生まれます。
設計者が「ひとり」で製品を作るのではありません。
つまり、優れた設計者というのは、
「設計に関わる人たちのアイディアを取り入れ、
コミュニケーションを取りながら進められる設計者」なのです。
しかし、そのコミュニケーションを取るためには
「最低限の基礎知識」は必要です。まったくのゼロでは、意思疎通が計れません。
最近では、文系出身の設計者の方も多かったり、「メイカー」と呼ばれる個人や小規模チームによる設計者が製品開発するケースも出てきております。
このような社会背景からも、ものづくりに関する基礎知識の習得の必要性はますます高まっていると思います。
そこで、ものづくりウェブでは、最低限の基礎知識を身につけて頂く事、
そして、さまざまな分野の経験者とコラボレーションして「経験者の知識」を活用できる価値として、提供していけるメディアへと成長させていきたいと考えております。
これからも役立つ技術情報を配信していきますので
ぜひ継続してご購読ください。