第3回:発想を“形”にする ── アイデアを仕様書へ落とし込む思考法

投稿日:2025年12月16日

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さて、本日が「企画発想編」メルマガシリーズの最終回です。

前回のメルマガでは、
顧客・市場・自社の関係を整理し、価値ある発想を導くための“分析力”についてお伝えしました。

そして今回は、いよいよその発想を
「仕様書」という形にまとめ、相手を動かすための表現力に焦点を当てます。

発想は「伝えてこそ」価値になる

良いアイデアを思いついても、
「うまく伝わらない」「理解してもらえない」という経験はありませんか?

構想段階で最も多い課題のひとつが、
“考えを文書に落とし込めない”ことです。

レビューで却下された案の多くは、
内容そのものよりも「説明が足りない」「根拠が見えない」ために伝わらなかったケースです。

発想を価値に変えるには、
「なぜそう考えたか」を、言葉と図で明確に示すこと。

そのために必要なのが、「仕様書」という“伝達の型”です。

よくある場面:企画書で伝わらない理由

ある設計者が、改良案を提案したとします。
性能アップとコスト低減の両立を狙った優れたアイデアでした。

しかしレビューでは、次のような反応が返ってきました。

「具体的な効果が見えない」
「採用した根拠が不明確」
「他案との比較が不足している」

本人は「内容で勝負したつもり」でも、
相手には“意図が伝わっていない”のです。

発想とは、“理解されて初めて価値になる”。
その橋渡し役が「仕様書」や「企画書」という“ドキュメント設計”です。

構想段階に必要な「伝える技術」

構想設計を任せられるリーダーには、
「考える力」と「伝える力」の両方が求められます。

その「伝える力」を支えるのが、次の3つの要素です。

1. ロジカルストーリーテリング
 発想の流れを「目的 → 検討 → 結論 → 効果」で整理し、
 読む人が一目で理解できる構成をつくる。

2. ビジュアル表現力
 図・表・構成図を用いて、思考の筋道を“見える化”する。
 文章だけに頼らず、視覚的に整理することで理解度が上がります。

3. 仕様書設計力
 アイデアを仕様として定義する力。
 「何を」「どのように」「どの範囲で」実現するのかを明確にし、
 他部署がそのまま活用できるレベルに仕上げます。

ストーリー:伝わらなかった案が“仕様書”で動き出した

30代の設計者・鈴木さんは、構想段階で
新しい冷却機構のアイデアを提案しました。

「構造的に優れている」と自信を持っていたものの、
レビューでは「採用見送り」。
理由は「検証方針とコスト見通しが示されていない」ことでした。

その後、鈴木さんは上司の助言をもとに、
提案内容を“仕様書形式”に整理。

・要求機能と技術課題を分解(QFD)
・構造案を複数比較し、メリット・デメリットを明記
・コスト見積もりと対策リスクを明文化

これらを図表でまとめた結果、
再レビューでは「この仕様で進めよう」と承認されました。

鈴木さんは気づきました。
「設計の発想は、頭の中だけで完結させてはいけない。
 “形にする”ことで、はじめてチームが動き出すのだ」と。

発想を仕様へ ― 設計者が持つべき視点

構想段階の仕様書は、単なる記録ではありません。
プロジェクト全体の“判断基準”として機能します。

仕様書を設計する際、意識すべきポイントは次の3つです。

1. 意図を明確にする
 なぜその案を選んだのかを一文で言えるようにする。

2. 根拠を可視化する
 検討過程・比較案・評価結果を明示し、後工程が理解できるようにする。

3. 共有しやすい形にする
 誰が見ても同じ結論にたどり着ける構成でまとめる。

これらを意識するだけで、レビュー・承認のスピードが大きく変わります。

“形にする力”を、実践で“使える力”へ

本講座の最終章(第8章)では、1~7章で学んだ
「自分を知る(技術資産の整理)」「相手を知る(顧客ニーズの理解)」「周囲を知る(市場・競合分析)」、
そして「発想し」「形にする」といった一連の思考プロセスを、
実際の設計テーマに適用していきます。

題材として扱うのは、2つの実践テーマである
【グランドコック】【リフター】です。

いずれも、機構の工夫や安全性、操作性などを考慮しながら、
発想から企画書・仕様書作成までを一気通貫で行います。
これにより、学んだ手法がどのように業務で活かせるかを実感できます。

さらに、QFDやコンセプトシートなどの手法を用いて、
「アイデアの根拠を説明できる企画書・仕様書」を完成させます。

単なる発想法の学習ではなく、
自ら考えた価値を“文書として伝える”設計者へと成長する、
それが本講座「企画発想編」のゴールです。

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あなた自身の中にある“設計の考え方”を整理し、
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ものづくりウェブ事務局