【ものづくりの学び】技術を見える化!経験や勘を言語化する方法

投稿日:2025年06月12日

MONO塾では、ものづくりに携わる皆様に向けて、
新着コラムや設計に役立つ情報を月に数回お届けしています。

今回は「計画的な技術伝承」シリーズの第2回をお届けします。

【シリーズ内容】
第1回:技術を確実に継ぐために!見える化の重要性
第2回:技術を見える化!経験や勘を言語化する方法
第3回:何から教えるべき?技術伝承の優先順位の決め方

シリーズを通して、技術の「見える化」と技術の「伝承」に役立つヒントをご紹介します。

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今回は、勘や経験を言語化する方法について解説します。

技術を明確に伝えるためには、
実践的な手法を取り入れ、
誰もが理解しやすい形に整理することが重要です。

ここでは、その具体的な方法を紹介します。

技術を後世に伝える際に、大きな壁となるのが、
長年の経験で培われた知識や技術が、
はっきりとした形で整理されていないことです。

多くの技術は、現場での経験を通じて身につく感覚や、
言葉にしにくい知識として蓄積されています。

このままでは、
次の世代の技術者に適切に伝えることが難しく、
特定の人しかできない作業が増える原因になります。

経験や勘を言語化することで、
技術は誰にでも理解しやすい形で整理され、
再現性が向上します。

今回は、そのための具体的な手法を紹介します。

経験や勘を言語化する重要性

技術が個々の経験や勘に依存していると、
組織全体で共有しにくくなります。

技術を標準化し、誰もが再現できる形にすることで、
効率的な技術伝承が可能になります。

技術を言語化することは、情報を整理するだけでなく、
企業の競争力を高める上で欠かせない取り組みです。

次のようなメリットがあります。

– 新人教育を効率化できる
– 業務を安定して継続できるしくみを構築できる
– 技術伝承のスピードを向上させる

技術伝承のプロセスにおいて、
言語化は避けて通れない工程です。

経験のみに頼る状況が続くと、
特定の技術者に頼らざるを得なくなり、
企業としての技術基盤が揺らぐ原因となります。

そのため、戦略的に情報を整理し、
実践的な形で共有できる環境を整備することが重要です。

経験や勘を言語化する方法

技術の伝承をより効果的に進めるためには、
経験や勘を明確にし、誰もが理解しやすい形に
整理することが重要です。

ここでは、
技術を言語化するための具体的な手法を紹介します。

1.マニュアル化

技術を効率的に伝承するためには、
視覚的にわかりやすい形で記録することが重要です。

設計現場ではあまり活用されていませんが、
加工や検査の分野では、映像を用いた技術伝達が一般的になっています。

例えば、作業の標準化や精度向上を目的として、
加工プロセスの記録や検査手順の映像マニュアルが活用されています。

設計においても同様に、
作業の流れや判断基準を映像で記録し、
誰もが理解しやすい形で整理することが有効です。

また、これをマニュアル化することで、
統一された品質で設計業務を再現できるようになり、
ノウハウの継承が容易になります。

2. チェックリストの作成

技術の標準化を進める上で、
誰が作業しても一定の品質を保てるようにすることが求められます。

そのためには、作業の各ステップを明確にし、
チェックリストとして整理することが有効です。

チェックリストは、作業の抜け漏れを防ぐだけでなく、
経験の浅い技術者でも安心して作業を進められるメリットがあります。

また、事前に発生しやすいトラブルや対応策を記載しておくことで、
問題が発生した際の迅速な対応が可能になります。

例えば、設計図面の検図では、
各項目をチェックリスト化し、
誰が確認しても同じ品質が保てるようにすることで、
設計の精度と信頼性を向上させることができます。

特に、寸法の整合性や部品の干渉、仕様の遵守など、
重要なポイントをリストアップすることで、
見落としやミスを防ぎ、設計品質を高めることができます。

3. ARやVRの活用

加工や組立などの分野では、ARやVRを用いた
技術習得の取り組みが徐々に増えています。

例えば、作業の標準化や安全教育を目的として、
組立手順のシミュレーションや設備の操作トレーニングが
仮想空間で行われるケースが広がっています。

また、数年に一回しか発生しないような
保守作業や事故対応作業では、OJTの機会が限られるため、
仮想体験を通じたトレーニングとしてAR/VRが活用されています。

技術伝承を進めるには、
まずできることから始めることが大切です。

完璧な仕組みを作ろうとするよりも、
今ある技術を少しずつ整理し、分かりやすい形で
伝えていくことが、継続的な改善につながります。

動画やチェックリストを活用したり、
フィードバックの仕組みを取り入れるだけでも、
技術の標準化と共有が進み、組織全体の技術力向上につながります。

まずは身近な技術から、
言語化に取り組んでみてはいかがでしょうか。

次回の予告

次回は、伝えるべき技術の優先順位をどう決めるか、
そして計画的に教育を進める方法について詳しくお話しします。

どの技術を優先的に伝承すべきか、
またどのように計画的に技術を教育していくべきかを、
実践的な視点でお届けします。

バックナンバー

第1回「技術を確実に継ぐために!見える化の重要性」はこちら

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