投稿日:2023年07月12日
いつもMONOWEB通信をご購読
いただきましてありがとうございます。
先日からご案内していました
新eラーニングについての最新情報をお伝えいたします。
機械力学入門講座は、
来週の7月20日(木)に発売が決定いたしました!
※都合により、延期となる場合もありますので、予めご了承ください
そこで、リリースまでの間
機械力学について、知識を深めていただける
「連載メルマガ(全3回)」をお送りいたします。
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連載メルマガの内容とは?
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こちらのメルマガは、
機械、構造物、ロボットなどに携わる
設計初心者を対象としてお話していきます。
多くの設計者が不安を抱えていえる
「機械力学の基礎知識」についてお届けしますので、ぜひお楽しみください。
今回の連載を読み終えるころには、
「 なぜ、機械力学知識が重要なのか? 」
「 なぜ、学校で教わったことが使えないのか? 」
「 効率よく学ぶための学習方法とは? 」
ということが、ご理解いただけるはずです。
第一回目の本日は
「なぜ、機械力学の知識が重要なのか?」
というテーマでお話していきます。
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「機械力学」の知識はなぜ重要?
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さて、それでは
「入社したばかりの田中さん」を想定して
話を進めていきましょう。
彼の初めてのプロジェクトは小型ロボットの設計。
しかし、
大学で学んだことが現場で役立つのか、自信がありません。
そんな田中さんは、ある日上司から言われました。
上司:「ロボットの動きを理解するには、
機械力学の知識が不可欠だよ。」
この言葉が、後の彼の学びのきっかけとなります。
ある日、田中君は『 ある課題 』に直面します。
ロボットのアームが想定通りに動かないのです。
これは一体どういうことでしょうか?
なぜロボットのアームは思うように動かないのでしょう?
それは、
彼がまだ機械力学の深い知識を持っていなかったことが原因で
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起きてしまった不具合でした。
また、この他にも機械力学の知識が不足していることにより、
引き起こされる問題はいくつか考えられます。
例えば、
・ある部品が動かない
・予定していたよりも早く壊れてしまう
などです。
では、なぜこのような問題が起きてしまうのでしょうか?
それは、機械の動き、つまり力やエネルギーの移動や変換を
理解できていないからです。
これらの理解が欠けると、
設計の段階で計算や予測のミスが生じ、
結果としてロボットが正しく機能しない原因につながります。
つまり、
田中君の問題を解決するためには、これらを理解するための
機械力学の知識が必要となります。
力のバランスを考慮し、アームの構造を再設計することで、
ロボットのアームが想定通りに動くようになります。
これがまさに機械力学の役割であり、
設計者の「知識」と「スキル」が問題を解決する一例です。
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機械設計エンジニアにとって、
機械力学の知識は「必要不可欠」
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機械力学を身につけること。
それはまるで「パズルのピースを組み合わせる」ようなものです。
数学的・物理的な理論は、このパズルの各ピースに相当します。
例えば、
力やモーメントの計算、物体の運動を理解するための微分方程式などは、
この大きなパズルを完成させるための重要なピースです。
これらのピースを理解し、適切に組み合わせることで、
機械に正しい動きをさせることができます。
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また、
機械力学は機械工学の基礎となる知識ですので、
他の専門分野にも深く関わっています。
4力と呼ばれている
「熱力学」「流体力学」「材料力学」といった分野も、
機械力学の理論を土台にしています。
つまり、これらを理解するためにも
まずは「機械力学の知識」を身につけることが不可欠なのです。
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「機械要素の選定」に、機械力学の知識は必要?
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機械力学は、機械要素の選定にも重要な役割を果たします。
機械要素の選定とは、
簡単に言うと、産業機械や自動車、ロボットや家電製品などを動かすための
部品を選ぶことを指します。
その中でも特に重要なのが、
「モーター」「歯車」「カム」「ベルトとプーリー」
などの部品です。
それぞれの部品がどのような力や回転力(トルク)を
受けるかによって、どの部品を使うかが決まります。
ここで問題なのは、
どの部品がどのような力やトルクを受けるか
を正しく理解するためには「機械力学」の知識が必要、
ということです。
機械力学とは、力と物体の運動の関係を研究し、
物体が力を受けた時にどのように動くかを説明する学問です。
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つまり、選定のための条件を
正確に理解するためには、機械力学の知識が必要となります。
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機械力学の知識不足・・・
具体的には「どのような問題」が起きるのか?
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機械力学の知識が不足していると
「耐久性不足」や「動作不良」「エネルギー効率の低下」など
機械の性能に影響を及ぼす可能性があります。
■ 知識不足による影響(例)
× 力の分解や合成の間違い:
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複雑な構造物や機械の設計時に、力を正しく分解・合成できない。
これにより、部品の強度や耐久性を正確に評価できず、
設計ミスを起こす可能性があります。
× トルクや角加速度の知識不足:
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工作機械やロボットアームなど回転する機械の設計時に、
トルクと角加速度の関係を正しく理解できない。
これにより、速度が速すぎたり、
力が不足して正常の動作ができない可能性があります。
× 運動エネルギーや運動量、力積の誤算:
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運動する機械のエネルギー変換の設計において
運動エネルギーの計算を間違える。
これにより衝撃を吸収できず装置が破損します。
× 遠心力の理解不足:
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回転する機械を設計する時に遠心力の影響を正しく理解できない。
これにより、部品が破損したり
予期せぬ回転運動をする可能性がある。
機械力学の知識がないまま設計をすることは
コンパスも地図もないまま森をさまよっているようなものです。
道しるべとなる「機械力学の知識」を手に入れることで、
正しい道を歩むことができます。
これまでお話してきましたとおり、
機械力学の知識は、多くの設計問題を解決するための
手がかりとなるでしょう。
そして、その知識を身につけることで
自信を持って設計業務に取り組めるようになるはずです。
以上、ここまでに
「なぜ、機械力学知識が重要なのか?」
についてお話をしてきました。
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次回(第2回)では
「学校で教わったことが使えない?その原因と解決策」
をテーマにお話していきます。
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講座内容についても、
徐々に公開していきますので楽しみにしていてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。