私たちはもともと「機械設計の基礎知識」を学ぶための
情報メディア「ものづくりウェブ(MONOWEB)」の運営からスタートしました。
MONOWEBを立ち上げた2014年当時は、
インターネットで「機械設計」に関する用語を検索しても、
専門的な情報は多く存在するものの、基礎的な情報はほとんど見当たりませんでした。
設計者を目指す多くの人は学校を卒業後、
希望するメーカーへ入社します。
最初は設計の経験がないため、
先輩からの指導や自己学習を通して知識のギャップを埋めようとします。
しかし、実際に自己学習を進めていく中で、
「専門書は実務にそぐわない」
「自己学習する時間が確保できない」
「設計以外にも勉強しなければならない事がたくさんある」
「学生の時に学んでいない技術知識が求められる」
など、スキルアップの障壁に直面することが多々あります。
そのような時、インターネットで気軽に情報を探すことができ、
問題を解決できるサイトがあればとても便利だろうと感じ、
それがMONOWEBの制作のきっかけとなりました。
設計者向けの教材が少ない
MONOWEBを運営し2年が経過する頃には、
毎月30万人にアクセスしていただけるウェブサイトへ成長していました。
インターネット検索のニーズについて、
ある程度の予測はしていたものの、これは想像以上の反響でした。
私たちの「情報を探している人は多いが、コンテンツが足りていないのでは?」
という予測が当たっていたわけです。
このような結果を受けて、
次はさらに学習しやすく、より良い学習環境を提供しようということで
eラーニングの開発を決めました。
しかし、いざeラーニングの開発をスタートすると
想像以上に大変なことがわかりました。
というのも、これまでに
専門的な動画教材を特定のお客様向けに作った経験はありましたが、
一般向けに販売する「動画教材」は初めてです。
「どんな講座であれば、選んでいただけるだろうか」
「どのような内容にすれば、成果を出してもらえるだろうか」
と悩みながら、多くの時間と労力をかけて制作を行い、
約1年かけてようやく完成に至りました。
そして、いざ販売する際、
MONOWEBを通じて私たちの存在を知っていただいた多くの方々から
購入いただくことができました。
このように、販売スタートしたわけですが、
「お客様は本当に満足しているのか?」ということが
私たちにとって、もっとも気がかりでした。
これまでと違い、有料での提供なので
内容により一層の価値を感じて頂き、満足してもらう必要があります。
もちろん、納得できる品質になるまでこだわって制作していますが、
お客様の望むレベルに達しているかはわかりません。
販売したものの、
肝心なお客様に満足頂けないようでは、本末転倒となってしまいます。
そのため、ご購入頂いたお客様からは、アンケートを頂くことで状況把握に務めました。
その結果、多くの方から
「とてもわかりやすかった」
「仕事に役立ちそうだ」
という喜びの声を頂くことができました。
また、一部の方からは不満の声もいただきましたが、
これらの意見を元に講座を改善していくことで、
不満の声も次第に少なくなり、現在の講座の品質を確立することができたのです。
時代にマッチした学習方法
私たちは、ご利用いただくお客様について、
「中小企業の教育ニーズが高いのではないか?」
と予想をしていました。
というのも、大手企業に関しては、
すでに十分な教育カリキュラムがあると思っていたからです。
ですが、いざ販売をしてみると、
それまで接点のなかった大手企業様からの採用もあり、
さらに自己学習を目的とした個人様の購入も多かったため、
予想外のニーズに驚きました。
これは、時代の変化でしょうか。
これまでOJT中心だったものが
会社の教育への取り組みが変化したことで、
個人それぞれの努力が求められるようになってきています。
また、コロナ渦の影響で時差出勤やテレワークが増え、
OJT自体を行うことが難しいといった問題も起きています。
このような背景もあり、
時間や場所を問わずに学習できる私たちのeラーニングは、
うまく時代とマッチし、より多くの方に選んで頂いているのだと考えています。
工学知識ゼロ、設計経験ゼロ、
文系出身者でも理解できる「ものづくりの動画教材」を目指して
巷には多くの専門書があり、たくさんの技術資料があります。
しかし、知識が足りていない状態でこれらを理解するのは難しいのではないでしょうか。
ある程度学習を積まれた工学系の出身者であればいいですが、
昨今の社会情勢を見てみると、文系出身者が設計に携わることも多くなってきました。
また、工学系の大学をでていても、
知識不足を感じている方はたくさんいらっしゃいます。
そのような方の悩みはとても深く、今後の仕事に大きな不安を抱えているはずです。
私たちはそのような方の「サポート役」でありたい。
ものづくりウェブは、そのようなコンセプトで今後も商品を開発していきます。
私たちが初めて開発したeラーニングは「即戦力エンジニア養成講座」でした。
当初は、お客様から喜んでいただけることがただただ嬉しかったのを覚えています。
また、当時は教育事業以外にも複数のサービスがありました。
メディア運営が上手くいっていましたので、教育以外にもコンサルティング業、広告業などのサービスも行っていました。
このような状況でしたので、わたしたちも普通のウェブ会社のように、手広くサービスを売ることだけに徹する道もあったかもしれません。
ですが、eラーニングを開発し、多くの方が喜んでいただくのを見たことで「いい加減なものは世の中に出せない!」と強く感じました。
もともと少人数でスタートした会社ですので、開発スピードにも限界があります。
1つのeラーニング製作に半年から1年程度の開発期間がかかりますし、相当数の資料作成の手間がかかります。
そのため、教育事業以外のサービスは一旦辞めることしました。それまでの利益を捨てて一つの事業のみに集中することは、周りの方からすると危なく感じたかもしれません。
ですが、やはり一人一人のお客様に価値あるものを提供したい。
難しい選択ではありましたが、私たちは教育事業のみに特化することにしました。
そして、長い期間をかけ1つずつ製作を進めたことでeラーニングはいつしかシリーズ化できるほど種類が増えていきました。
今では「ものづくりを代表するような企業様」から採用をいただけるようになり、累計4,000名以上の方にご利用いただいています。