知識ゼロからものづくりを学ぶ 機械設計エンジニアの基礎知識
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12-3.
どの位の角度が必要なのか?
抜き勾配の角度は、成形品の形状や場所によって異なりますが、一般的には1°から2°前後の抜き勾配をつけま
す。
設計的に抜き勾配を入れたくない場合であっても、原則、最低 0.5° の抜き勾配が必要です。
但し、抜き勾配を0にすることも可能です。
例えば、「勾配0に対応できる材質を使う」、「冷却時間を長くして金型で強制的に抜く構造を採用する」などの方法
があります。
抜き勾配は成形性や金型の離型を考慮するとできるだけ大きい方が望ましいです。
以下は一般的な抜き勾配の設定です。
上記が目安となりますが、シボ加工等のように金型表面をざらざらに処理した表面の場合、最低でも3°以上必要
とします。また、ボスやリブのように製品の深さがある部分についても、通常より大きな抜き勾配を付けなければ離型
出来ない場合もあります。
また、抜き勾配が小さな箇所は、付近に突き出しピンを配置するような対策方法もあります。
実際の設計における抜き勾配の設定は、実績ベースです。旧タイプの製品や類似製品にどのくらいの抜き勾配が
最適であるのか確認することが大切です。また、設計的にどうしても抜き勾配を小さくしたい場合は、金型業者と良
く打ち合わせを行い、設定を行うことをオススメいたします。