設計者に必要な文系脳と理系脳

投稿日:2020年09月03日

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今回は

「設計者に必要な文系脳と理系脳」

というタイトルでお話します。

あなたは、設計者にとって
理系脳と文系脳のどちらが重要だと思いますか?

一般的に、
機械設計エンジニアの道へ進むエンジニアの多くは高校教育課程で
「理系」を選択されている方が多いと思われます。

もしくは、工業高校や専門学校、
高専でも工学に関する知識を身につけることができますね。

理系を選択された方は、
数学や物理もしくは化学が必須になっているので、
数字の扱いや計算が得意な方も多いと思います。

私も高校では理系を選択、大学は工学部でしたので、
数学や物理を当り前のように履修してきました。

しかし、
実際に設計しているエンジニアの中には
文系出身者が意外と多いのです。

皆さんのまわりにも文系出身者がいたりしませんか?

特に、近年は理系出身者の採用が難しく、
文系出身者を採用して教育する企業が多くなっていると聞きます。

文部科学省の調査によると、
高校で理系を選択しているのは、
全体の約30%とのことです。

さて、ではあなたは文系と理系を選択する際に、
何を基準に選択されたでしょうか。

おそらくですが、
数学が得意、物理や化学が得意、国語や英語がニガテ、
など受験に必要な教科という範囲で決められた方が大半だと思います。

日本では、高校の教育課程において、
文系、もしくは、理系を選択しなければならないシステムになっています。

そのシステムがあったから、
あえてどちらかを選択しなければならなかったのです。

そして、文系を選択した人を文系脳、
理系を選択した人の理系脳として、
その人の能力を区別することも多いですね。

一般的に、文系脳とは、国語や社会など、
主に記憶が必要とされる教科が得意。

記憶が必要とされる学問ですので、
直感的に考える人が多そうですね。

また、人と会話したり、自分の感性を磨くことで
自分を高めていける方が多いイメージです。

理系脳とは、数学や理科など、
自分で答えを導き出すという学問を得意。

専門分野に特化して、
深く技術を追求していくことが好きな人が多そうですね。

職業は、エンジニアや研究職など、
ひとつのことに集中して取り組む方が多いイメージです。

しかし、
完全に文系脳と理系脳とわけて
その人の「脳力」を区別していいのでしょうか。

例えば、別の捉え方として文系は「右脳」、
理系は「左脳」というような分け方もされますね。

こちらについては、ある研究結果があり、
以下のように右脳、左脳の働きを定義しています。

右脳空間認識の機能を担当
(視覚的な情報をトータルに把握する仕事を担当)

左脳論理的な思考を担当
(言語機能をはじめ、数字や記号に対しても強く、
 読み、書き、計算する能力に強みを発揮する)

つまり、
こちらの研究結果を参考にすると実際の設計において
必要な計算能力は「左脳」にある。

また同時にコミュニケーションに必要な
言語能力も「左脳」にあるということです。

以上のことから、
文系脳、理系脳は、あくまでも教育システムの中で
区別されているものであり、設計者には、
両方の脳が必要であると考えることができます。

ですが、そうはいっても
「私は数学がニガテで、設計で使う計算が中々理解できないのです」
という声が多くあるのも事実です。

MONO塾のセミナー受講者の中にも
「理解しようと努力していますが、なかなか理解が進みません」
といったお声も聞きます。

先ほどお話しました右脳、左脳ですが、
こちらは、実は単純にどちらを得意としているかはっきりと別れるものではなく
特徴によって「利き脳」があるともいわれています。

主に部屋の片付けをする際に用いられる考え方ですが、
利き脳の分け方が存在するそうです。

細かい説明は割愛ますが、右右脳タイプ、右左脳タイプ
のように4つに分類されるということでした。

このように、従来のように単純な文系、理系というだけで、
その人の特徴を決めるのは、間違っているかもしれません。

様々な特徴を加味した上で判断する必要があります。

実際に、
MONO塾で実施している強度計算書作成セミナーにおいても、
受講者によってこのような差が見受けられました。

同じような経歴のエンジニアでも、
公式だけを示してあげると、簡単に理解してしまう人もいれば
実物などのモノを使うと理解できる方もいます。

また、特に数学や物理にニガテ意識がある方には
初心者向けセミナーであっても少し難しく感じている方もいました。

今までの受講者を参考にしますと、

理解が早く進む方の特徴として
「実際にモノを作る、壊す、分解する」などの
経験している方が多いように思います。

実験の部署で仕事をしている人が
CAEなどのシミュレーションソフトを使うと、
上手く使いこなせている例もありました。

しかし、そのような経験がないと、

  • 式の変形の仕方が理解できない。。
  • 途中の式が省略されていると理解できない。。
  • 密度と体積から質量が導けない。。。
  • 単位が分からない。。。

など、理論とイメージを結びつけることが難しく、
理解できない、理解に時間がかかる、説明について行けない、
といった壁を感じている方がいることもわかりました。

そこで、ものづくりウェブでは

  • 数字や力学がニガテ
  • ゼロから学びたい
  • とにかく簡単に理解したい

という人向けに、身近にある道具を使ってイメージで
学習することができる超初心者向けの
強度設計教育セミナーを開催することになりました。

こちらは、現在「強度設計超入門セミナー(オンデマンドセミナー)」として販売しています。

こちらは、なるべく直感的に捉えることができ、
文系出身者や、力学知識がゼロの方でも、必要最低限の知識を学習できる
オンラインセミナーとしております。

ここまでお読み頂いましてありがとうございました。

次回のコラムは、実際に
なぜ壊れたか?原因を感覚的に捉える方法とは?
というタイトルでコラムを書いていきますので楽しみにしておいてください。

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